日銀会合の主な意見【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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米ハイテク株安受け売り先行

本日の東京株式市場は売り先行スタートで、一時3万5704円まで売られる場面がありました。30日のNY市場はマチマチの展開でした。NYダウは4日連続で史上最高値を更新しましたが、ハイテク株が軟調でナスダックは反落しました。

マイクロソフトとアルファベット好決算も下落

取引終了後にマイクロソフトとアルファベット(グーグル)の決算が出ました。マイクロソフトは引き続き旺盛な生成AI需要を追い風に前年比で30%を超える増益となりました。アルファベットは売上高、一株利益ともに市場予想を若干上回りましたが、主力の広告事業が市場予想を下回りました。この決算を受けた時間外取引ではマイクロソフトが1%程度安く、アルファベットは7%を超える急落となっていました。

足元の株価上昇していたため材料出尽くし

足元の株価が上昇していたために材料出尽くしとなっています。また、AMD(アドバンス・マイクロ・デバイセス)は生成AI分野は好調ですが、売上高が市場予想を下回ったことで、時間外で9%超もの急落となっています。そのため、今朝の東京市場はハイテク株主導で売られました。

乗り遅れた個人投資家が押し目買い

しかしその後は押し目買いが入り、日経平均の日足ローソク足は陽線形成となりました。上値は重いが下値は堅いという雰囲気です。3万6000円割れがあった先週の1月22日から26日の信用買い残は1900億円増加したように、下落場面では乗り遅れた個人投資家が押し目買いを入れているからでしょう。

日銀会合「主な意見」は先行きを占う上で重要

今朝は先週の日銀会合の「主な意見」が公表されました。これは出席者の意見ですが、先行きを占う上で重要です。

賃金と物価の好循環が強まることが必要

・2%の物価安定の目標を実現するためには、賃金が2%を明確に上回る状況が継続するとともに、賃金と物価の好循環が一段と強まっていくことが必要です。

政策修正の要件満されつつある

・今春の賃金改定は過去対比高めの水準で着地する蓋然性が高まっているほか、経済・物価情勢が全体として改善傾向にあることを踏まえると、マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満されつつあると考えられる。

マイナス金利解除など基本的考え方の説明有益

・政策変更のタイミングがどうなるにせよ、その前後で市場に不連続な動きを生じさせないよう、コミュニケーション、オペレーションの両面で工夫する必要がある。こうした観点からも、現段階から、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの枠組みの解除についての基本的な考え方を、各時点で可能な範囲で少しずつ、対外説明していくことは、有益である。

強い金融緩和調整を検討する重要な局面

・従来のきわめて強い金融緩和からの調整を検討していく重要な局面である。その際、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利政策の在り方を議論するほか、オーバーシュート型コミットメントの検討も必要である。

ETFとJ―REIT買入れやめるのが自然

・ETFとJ―REITの買入れについては、大規模緩和の一環として実施してきたものであり、2%目標の持続的・安定的な実現が見通せるようになれば、買入れをやめるのが自然である。2021年3月の買入れ方針の転換以降、買入れ額は非常に小さくなっており、買入れをやめても市況などへの影響は大きくないと考えられる。

マイナス金利解除に踏み切る必要

・経済・物価情勢に応じて、金融正常化の道のりをゆっくりと進めていくためには、金融正常化の第一歩であるマイナス金利の解除に、適切なタイミングで踏み切る必要がある。判断が遅れた場合、2%目標の実現を損なうリスクや急激な金融引き締めが必要となるリスクがある。

市場大きく揺れる可能性あり日銀の対応注視

以上を読むと、物価目標の達成やマイナス金利解除についての議論はかなり深まっているようです。マイナス金利解除の時期が近付いているように思います。その時、株式市場は大きく揺れる可能性がありますので、今後の日銀の対応を注視せねばならないようです。

日々勇太朗

 

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