【潮流】岡山 憲史~HFT規制の改正金融商品取引法が成立

潮流|株式市場新聞

次は225先物に規制を!

株の高速取引に関する規制を盛り込んだ改正金融商品取引法が成立した。
HFT(超高速・高頻度取引)はコンピューターにあらかじめプログラムされたアルゴリズムにより、千分の1~百万分の1秒単位で注文の発注やキャンセルを繰り返す。主にヘッジファンドなど海外投資家が利用している。規制には3つの柱が盛り込まれた。1つ目は高速取引をする投資家の登録制。投資戦略についても申告させる。2つ目はHFTをする投資家への取引記録の作成と保存。要請があれば金融庁に提供する。3つ目は証券会社や取引所への規制。無登録の投資家からのHFTの取り次ぎを禁止し、証券会社が名義人となって代理で売買することも禁じる。売買データが見える取引所には、規則が守られているか投資家を調査する。不透明な取引があれば、どの業者による注文なのか調査しやすくなる。
外国人投資家がHFTを利用して225先物の売買を頻繁に繰り返している。ABMアムロだけで225先物売買の70%以上を占める事もあり、その大半が当日決済だ。「ドル・円と225先物価格」をリンクさせたアルゴリズムを組み、プログラム自動売買取引で「ドル・円と225先物価格」が乱高下する。個人投資家が株式市場から離れていく要因がここにある。つまり、HFTが株式市場に与える悪影響は個別銘柄よりも225先物が大きい。今回、HFTに規制をかけたことは非常に良い事であるが、本質的な問題は225先物取引にあるのだ。225先物取引を行う大口投資家に対して今回の規制を同じく適用することが必要だ。さらに、米シカゴ(CME)市場とシンガポール(SGX)市場に上場している225先物を廃止する。株式市場自体を価格操作しているに等しい仕組みは変えなければならない。また、「過度な規制で投資家が離散してしまうようなら市場の流動性が下がり、かえって相場の変動が大きくなる恐れもある」という記事が載ってあったが全くの誤りだ。ここではっきりしたことは、HFTは何も流動性を供給することに全く役立っていないということだ。流動性とは売りに対して買い向う投資家など、多様な投資家の存在から流動性はもたらされるのである。方向性を先回りして売買を繰り返すことによって増加した売買高だけを見て流動性が確保できると思っているなら大間違いである。
今回の潮流銘柄は日本アクア(1429)、ロングライフホールディング(4355)、マルマエ(6264)。

 

◆岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール◆

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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