押し目は強気対処|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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弱気見通しが多いほど、逆に年末に向けて一段高に進む

 米中貿易協議で部分的合意に至ったことを好感してリスクオンの様相を強めてきた。日経平均は4月につけた年初来高値22307円を一気に更新している。一方、先行き見通しについては、短期急騰の相場模様とは裏腹に依然慎重派が大勢のようである。買い主体が指数先物のショートカバーであることに加え、足元の景況感が製造業を中心に相当弱いことや米中関係改善に対しての懐疑的な見方が背景にある。短期的な警戒感も台頭する場面ではあるが、そうした弱気見通しが多いほど、逆に年末に向けて一段高に進む可能性は高まっているのではないか。

下方修正には耐性が出来ている

 全体相場がもたつく中、6月以降、東京エレクトロンは今期業績悪化見通しにも関わらず一貫して上昇してきた。この間安値からの上昇率は60%を超えている。また、先日の安川電機中間決算ではコンセンサス比でネガティブサプライズになるほど内容だったが、翌日の小幅安の後は上昇に転じた。足元の企業業績が四半期ベースで大底圏にあり、年明けから来期に向けては回復基調になるとの期待が反映している。先行性のある2銘柄に留まらず、9月中間決算発表を控える主力銘柄についても下方修正には耐性が出来ており、市場の関心は来期の動向に向かいつつあると見るべきだ。さらに、ドル円相場が輸出企業の想定レートよりも円安傾向にあることも追い風になろう。

iPhone11の今後の売り上げ状況には要注目

 米国ではアップルの株価が堅調である。9月発売のiPhone11の販売が好調で増産のうわさが報じられた。米国製造業の景況感悪化が伝えられる中、半導体サイクルがすでに底入れしているとの見方をサポートする材料の一つだろう。半導体関連に留まらず、影響が広範囲に及ぶだけにiPhone11の今後の売り上げ状況には要注目である。

年末2万4000円台の戻り高値期待

 米中の政治的な対立の溝はそう簡単には埋まりそうにない。今後も様々な揺さぶりや対抗措置といった応酬が繰り返されるであろう。しかし、経済関係においては、お互いに妥協点を見出しながら折り合っていくしか道はないというのがコンセンサスになりつつある。マーケットは徐々に楽観的見方に傾いていくと考える。日経平均は年末に向けて2万4000円台の戻り高値を目指す動きになると予想している。長期投資の観点にたって押し目は強気で臨みたい。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当




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