週末に向けては戻す動き
7月第2週の東京市場は週前半は日経平均で2万6000円を割れる場面があり、膠着感が強い動きだったが、週末に向けては戻す動きになった。
ハイテクの上昇が支援
FRBのウォラー理事やセントルイス連銀のブラード総裁が7月のFOMCで0.75ptの利上げを支持しつつも経済の強さを強調し、ソフトランディングを基本シナリオと主張したことが楽観論につながった。これに加えて、サムスン電子の好決算を受けハイテク機器の需要鈍化懸念が後退し東京エレクトロン(8035)を筆頭にハイテクの上昇が指数を押し上げている。
安倍元首相急逝の影響は?
8日の11時30分には奈良県の大和西大寺駅で遊説中の安倍元首相が元海上自衛官から狙撃される事件が発生した。これを受けて2万6881円75銭まで上昇していた日経平均は後場寄りから急速に値を消す動きになった。安倍元首相は世界の主要国のトップと太いパイプを持ち、岸田政権の政策立案でも重要な助言を行い、黒田日銀総裁とも金融緩和を推進しきた。来年任期を迎える日銀総裁人事を含めて、今回の急逝で不安が高まれば海外投資家の売りが高まる可能性もあるだけに注意したい。
週明けの東京市場は反発のスタート
週末8日のニューヨーク市場はダウが小幅安、ナスダックとS&Pは小幅高とまちまちの動き。注目された6月雇用統計では雇用者数の伸びが予想を大きく上回った一方で、金融引き締めの強化が警戒され方向感の乏しい動きとなった。ナイトセッションの225先物は2万6800円で、週明けの東京市場は参院選での自民勝利で買戻しから反発のスタートとなりそうだ。
6月CPIに関心
今週は海外では13日に米国で6月消費者物価指数(CPI)、15日に7月ミシガン大学消費者マインド指数速報が発表される。先月はFOMC前で政策メンバーが発言を控えるブラックアウト期間だったことから波乱要因になったが、今回はブラックアウト期間ではないことから先月ような大波乱にならなると見る。
14日にファーストリテイリングの第3四半期
国内では2月期企業の第1四半期発表が終盤戦を迎える。先週はイオン(8267)などが好決算を受けて値を上げる場面があった。小売セクターは概ね経済活動正常化から回復しているが、新型コロナの感染再拡大から、ここへきては先行きへの不安も高まっているだけに決算発表後の値動きを見極めてから行動したい。2月期企業以外では14日にファーストリテイリング(9983)の第3四半期決算が発表される。前回の第2四半期では円安から上方修正されたが、今回も好内容なら指数の押し上げ要因になる。
方向感が見えるまでは押し目買いスタンス
日経平均は2万7000円手前では戻り売りに押されており、週明けも買戻し一巡後はCPIなどを控えて上値の重い展開になるかも知れない。 方向感が見えるまでは押し目買いスタンスか。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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