ナスダックの強い動きが支援
5月第2週の東京市場は12日までで続伸となり日経平均はザラ場で2万9426円06銭と年初来高値を更新して引けた。
ニューヨーク市場では米地銀のパックウエスト・バンコープの預金が1割弱減ったと明らかになったことで金融株が荒い値動きになる場面があった。これに加えてミシガン大学が12日午前に発表した5月の消費者態度指数が57.7と市場予想の63.0を下回り、昨年11月以来の低水準となったことで景況感の悪化も懸念され12日のダウが5日続落となっているが11日までのナスダック指数の強い動きが支援材料になったようだ。
外人買いがけん引
ニューヨーク市場でのダウの動きに反して東京市場が強い動きになっているのは5月第1週までで5週連続買い越しとなっている外国人投資家の動き。最盛期を迎える3月期決算発表に関しては冴えない予想を打ち出す企業が多いものの、営業利益で1兆円突破予想を打ち出したホンダ(7267)が3776円の高値を更新、今期減益予想ながも自己株式取得枠の設定を発表した東京エレクトロン(8035)も週末は510円高と大幅に上昇しており、外人に人気の高い銘柄への物色意欲は旺盛だ。
週明けは3日続伸でのスタート
週末の日経平均先物はナイトセッションで2万9570円で引けており、週明け15日は3日続伸でのスタートとなり、3万円回復の声も聞かれそうだ。ただ、前回、3万円に乗せた2021年9月は2万7200円台まで急落、3万円に乗せなかったものの2万9222円まで急騰した昨年8月2万5600円台まで急落しており、急ピッチな上昇による反動には警戒しておきたい。
2011年は米国債格下げで波乱だった
下落への懸念材料となりそうなのが、6月早々に期限を迎える米国の債務上限問題。現状、水面下で民主党と共和党とで交渉が行われているようだが、来年の大統領選を控えて両党で歩み寄る雰囲気はない。今回の同様のケースと言われる2011年は8月2日に債務上限引き上げに関する法案がキリギリのところで成立したが、その後、8月5日に米国債の格下げを発表し、大混乱に陥った。必ず両党は合意して債務上限が引き上げられる、というのがマーケットの安心感に繋がなっているが、交渉が長引けば格下げの恐怖も高くなる。
高値を追いたくなる現状だが、無理をせずに押し目を待っても良さそうだ。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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