米利上げ打ち止め感広がる【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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CPIは10か月連続で伸びが縮小

米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を占う上で重要な4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が4.9%と市場予想(5.0%)を下回り、10か月連続で伸びが縮小した。ほぼ市場の想定通りの結果となった。

高PERのハイテク株が買われる

5月10日発表のCPIが市場予想より上振れすることへの警戒が強かったため、CPIの発表後は長期金利が低下し、米株式市場では割高感が薄れたとみられた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われた。

GAFAMがけん引

4月1日から5月9日までの大型ハイテク企業GAFAM(アルファベット、アップル、メタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の値動きをみると5銘柄とも上昇し、上昇率はいずれも同期間のS&P500指数(0.2%)を上回り、メタプラットフォームズは10%、マイクロソフトは6%超上昇した。

FRBは累積効果を見極める

今年に入ってからハイテク株の上昇が続いている。6月13~14日に開くFOMCで決める政策金利について利上げ見送りとの決定となれば、さらにハイテク株の上昇に弾みが付くだろう。米金利先物の値動きから米金融政策を予測する「Fedウォッチ」によると、据え置くとの予想確率は92%台まで上昇している。CPIの発表前にはインフレの上振れを警戒する見方もあったものの、そうはならなかったとして、FRBがこれまでの利上げによる累積効果を見極める態勢に入るとの観測が増えたようだ。

S&P500種で85%の企業が予想を上回る

5月5日時点でS&P500種株価指数構成銘柄で85%の企業が2023年1~3月期決算発表を終えた。1株利益(EPS)が市場予想を上回った企業は79%で過去5年平均(77%)、過去10年平均(73%)をいずれも上回っている。
また、現段階での実績も含めた1~3月期EPSは52.46ドルと、3月末時点の予想(50.18ドル)から4.5%切り上がった。前年同期比では1.6%減と2四半期連続の減益となるも、減益率は前四半期(同3.7%減)から改善する見込みとなっている。

景気後退とは程遠い

S&P500の通期予想EPSは22年4~6月期決算発表以降切り下がっている。それでも、足もとの決算発表期においては予想EPSが落ち込まず、1月時点の水準まで持ち直した。今の米国を見る限り景気後退とは程遠い状況となっている。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は丸全昭和運輸(9068)、パナソニックHD(6752)、コーナン商事(7516)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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