名実ともに新年度相場がスタート
名実ともに新年度相場がスタートする。2018年3月期は、アベノミクスや円安効果などによる好調な企業業績を背景に日経平均は連騰記録を更新、今年1月に2万4129円34銭の高値を更新したが、その後は国内では森友学園問題に端を発した支持率低下、海外ではトランプ大統領による関税引き上げによる貿易戦争への懸念から株価は大幅な調整を余儀なくされた。円高への不安も高まり経済の先行きが混沌となるなかで、19年3月期の企業業績予想も注視されそうだ。
日本からの輸入に占める比率は約5%
米トランプ政権が3月23日に、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を発動し、中国やロシアなどが対抗措置を表明するなど貿易戦争への懸念が高まるなかで新年度を迎える。日本も輸入制限の適用対象になっていることから、足元の円高基調を含めて今後、本格化する3月期決算企業の業績予想も慎重になる可能性が高そうだ。因みに米国の2017年の鉄鋼製品の輸入量は約3800万トンで、日本からの輸入に占める比率は約5%に過ぎない。
売られている企業は見直せそう
しかも日本でしか製造できない高品質の製品も多く、それらは今後の交渉で関税引き上げの適用除外になる見方が多く、鉄やアルミに関連する企業の中でも実態以上に売られている企業は見直せそうだ。3月19日に18年3月期業績予想と期末配当を引き上げた大紀アルミニウム工業所(5702)。同社はアルミ2次合金地金の国内トップ企業で、社名にアルミの名を冠していることから増額発表後の買い一巡後に大きく下落したが、海外ではインドネシア第2工場が1月から量産開始するなど主戦場は東南アジア。
直接的な影響が少ない企業は多い
同社以外にも今回の関税引き上げの直接的な影響が少ない企業は多い。貿易戦争による世界的な景気減速の影響から慎重な業績予想を打ち出してくる企業の中でも、個々の企業実態を吟味したうえで、売られた場面では絶好の押し目買い好機になるものはありそうだ。
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