ディフェンシブ系の筆頭として注目
昨年末からの波乱相場の中で底堅さを見せたのが電鉄株だ。米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などを受けてグローバル企業には業績悪化への懸念が付きまとうが、主要都市のインフラを担う電鉄は好不況にかかわらず収益が安定し、近年ではホテルや百貨店などをグループ企業で経営し、多角化による業績拡大期待も高い。そのなかでも2025年の大阪万博開催へ向けてインフラ整備が活発化する関西系の値動きはよく、地味な存在ながらディフェンシブ系の筆頭として注目できそうだ。
株価はひと際光る動き
昨年末以降、南海電気鉄道(9044)が12月25日の安値2673円を底に早々に25日移動平均線を突破し3000円台を回復、近鉄グループホールディングス(9041)も12月25日の4470円を底に急伸し、1月7日には昨年来高値4980円を付けるなど関西地盤の電鉄はひと際光る動きとなっている。
なにわ筋線で恩恵大きい南海電鉄
首都圏の電鉄は、2020年の東京五輪へ向けた再開発の効果は株価には織り込まれていたが、関西系については、2025年の大阪万博へ向けた整備はこれからであり、この期待が株価を押し上げている一因になっているだろう。南海電鉄につては、大阪市中心部から関西国際空港(関空)への鉄道アクセスを強化する新線「なにわ筋線」構想が大きい。この構想では新今宮駅から「なにわ筋線」を経由して梅田への乗り入れが構想に入っており、大阪南部地盤だった南海電鉄が大阪の南北を結ぶ縦断鉄道へと変貌する期待がある。
京阪電鉄も中之島線の夢洲延伸計
一方、近鉄も万博会場となる大阪湾の人工島・夢洲へ「奈良-夢洲」直通特急を走行させる構想が伝えられた。近鉄は既に阪急阪神ホールディングス(9042)傘下の阪神電鉄の三ノ宮駅まで特急を乗り入れており、東西縦断鉄道としての存在感を高める期待がある。京阪ホールディングス(9045)の京阪電鉄も中之島線の夢洲延伸計画がある。
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