仮想通貨冬の時代【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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暗号資産最大規模の経営破綻

暗号資産(仮想通貨)取引所大手のFTXトレーディングは11月11日に連邦破産法11条「チャプター11」の適用を申請した。負債総額は数兆円規模に達し、暗号資産業界で最大規模の経営破綻となった。

破綻の背景

FTXの創業者で最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマン・フリード氏は辞職した。破綻の背景には、暗号資産の取引業務以外に裏付け資産のないトークン(電子証票)「FTT」を支払い、借り入れ担保などに金融資産として利用しながら、企業買収などビジネスを拡大、それが行き詰まったという面がある。さらに、財務についての情報開示が不十分で、実態が外部から十分に認識されないままにビジネスが急拡大したという問題もある。

顧客が取り戻すことができる資産は?

FTXは暗号資産取引のために約100万人とされる顧客から預かった160億ドルのうち、約100億ドルをアラダ・リサーチに貸し付けていたという、経営者の不公正な取引も明らかになった。また、約3億7100万ドルがハッキングによってFTXから不正に引き出された。そのうち2億2200万ドルは直ぐにステーブルコインの「dai」と「ether」に交換されたようだ。顧客が取り戻すことができる資産はいくらになるか分からない。

ハッカーの温床となっている暗号資産

2014年のマウントゴット事件、2021年のコインチェック事件は、いずれもハッキングによる資産流出がきっかけとなって、経営破綻した。今回は、経営破綻懸念がきっかけでハッキングによる資産流出につながった。FTXの経営破綻によって、暗号資産市場と暗号資産ビジネスに対する投資家の信頼性も失われた。ハッカーの温床となっている暗号資産市場は暫く冬の時代となるだろう。

まさに仮想通貨

また、今年5月に発生した「テラショック」の再来が懸念される。安定した値動きをうたっていたステーブルコイン「テラUSD」の価格が急落、投資家がほかの仮想通貨を投げ売りして相場が逆回転する事態に発展した。投資家が資金を一斉に引き揚げ、米仮想通貨融資サービスのボイジャー・デジタルやセルシウス・ネットワークが破産し、仮想通貨ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタルも経営破綻した。投資家が急成長を見込んで仮想通貨に投資した現金が突然消えてしまう。まさに仮想通貨だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はpluszero(5132)、共立メンテナンス(9616)、Aiming(3911)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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