円安・株高に弾み付く【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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日銀は大規模を金融緩和の維持

日銀は4月28日の金融政策決定会合で現行の大規模な金融緩和の維持を決めた。
市場金利全体を操作する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」も続ける。この発表を受けて「円売り・225先物買い」のプログラム売買が継続して入り、日経平均は398円(1.40%)高の2万8856円と年初来高値を更新した。

「円キャリー投資家」には追い風

為替市場では円売りが膨らみ、一時1ドル=135円85銭と日銀の結果発表前から2円超円安が進んだ。日米の金利差を享受できるように円を売り持ちにする「円キャリー投資家」には追い風となった。
日銀は過去四半世紀の金融緩和について、1年~1年半程度の期間をかけて検証をする「レビュー」の実施も決めた。植田日銀総裁は「もう少し辛抱して緩和を続けたい」と述べた。市場では「少なくとも1年は利上げが決まることはない」との受け止めが広がり、これが円キャリーに弾みをつけた。

円キャリーの最もシンプルな方法は?

円キャリーの最もシンプルな方法は、ドルなどを買い持ちにして、得た外貨を先物市場で売り買いする「為替スワップ」を活用するものだ。その結果、利息に相当する「スワップポイント」を受け取れる。為替差益だけを狙う円の売り持ちとは見た目は同じだが、持ち高をかなり長い間維持するかどうかで区別される。

キャリーの最大の特徴は?

キャリーの最大の特徴は実際に利上げや利下げが決定するまで、金融政策に関する憶測にはあまり反応しないことだ。じっくりと利息収入を積み重ねるキャリー投資家にとって、日銀がレビューに1年以上かけると決めたことは有利だ。ただ、レビューの結論を出す前に日銀が政策修正に動く可能性も否定できない。植田総裁は今後の金融政策運営に関するレビューを実施している期間中でも「議論して必要があれば政策変更を実行していくスタンス」だと述べている。

日銀が利上げさえしなければ・・・

ただ、キャリー投資家は、日銀が利上げさえしなければ、相手通貨の動きだけに注目すればいいことになる。対ユーロでは1ユーロ=149円50銭近辺と8年4カ月ぶりの円安・ユーロ高。スイスフランに対しては1フラン=151円台半ばと過去最安値圏だ。米国が仮に利下げを迫られても、ユーロ圏や英国、オセアニア、アジアの一部など高金利通貨の選択肢が多い状況は変わらない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はサッポロホールディングス(2501)、京成電鉄(9009)、鹿島建設(1812)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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