長期上昇トレンドに変化なし【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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フィッチによる米国債格下げ

8月に入って日経平均の下げを加速させた一因としては、格付け会社フィッチによる米国債格付けの引き下げにあるが、この格下げについては、内外から疑問や批判の声が圧倒的に多い。

疑問や批判の声が圧倒的

イエレン米財務長官はフィッチが米国の外貨建て長期債格付けを引き下げたことについて、「パンデミック(疾病の世界的流行)後の米国の力強い回復を踏まえると驚きだ」と述べた。「完全に不可解で、強く反対する」と語った。
サマーズ元財務長官やノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏も「この決定は広く嘲笑されている」とまで指摘している。また、著名投資家ウォーレン・バフェット氏も、米国債の格下げについては全く問題にならないとし、今後も米国債投資を継続するとしている。
フィッチの悪材料は単に過熱感が高まっていた米国株に売りのきっかけを与えたに過ぎない。日柄調整が終了すれば、再度上昇基調が強まる動きになることが予想される。

日本株には7月安値を前に根強い押し目買い

日本株には7月安値を前に根強い押し目買いが入っている。日経平均のチャートを見ると、7月12日安値である3万1791円に接近した7月21日、同月28日はいずれも長い下ヒゲを形成したほか、取引時間帯に3万2000円を割り込んだ8月4~7日はいずれも比較的実体部が大きい陽線を形成した。

バリュー株が相場を牽引

6月中旬以降、3万1000円台後半から3万3000円台後半でのレンジ推移が続いているが、レンジ下限では押し目買い意欲が旺盛である様子が確認できる。日本株はバリュー株が相場を牽引している。日本のファンダメンタルズの改善への期待が今の日本株の上昇をもたらしている。

海外投機筋はPBR1倍割れ銘柄に買い

4月以降の17週間で海外投資家は現物と先物合計で8兆円超の日本株を買い越した。アベノミクス相場が始まった2012年11月以降の17週間の買越額6兆円超を勝る。7月1カ月間で海外投資家は現物と先物の合計で7453億円買い越した。8月の急落局面では海外投機筋は先物に大口売りを出したが、日経平均が大幅安となる場面ではPBR(株価純資産倍率)が1倍を割る個別銘柄に買いを入れているようだ。
米国金利上昇による米国株の調整程度で、今の日本株の長期上昇トレンドが変わることはないだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は日本テレビホールディングス(9404)、パナソニックホールディングス(6752)、ユアサ商事(8074)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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