12月は「掉尾の一振」に期待【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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12月の勝率は64%

例年12月は株式相場が強含む傾向がある。日経平均の月間騰落率を史上最高値を付けた1989年12月(3万8915円)以降の33年間(1990~2022年)で集計すると、12月の勝率は64%(21勝12敗)となり、10月末から上昇相場を描きやすいというアノマリー「ハロウィーン効果」が意識されやすい11月(67%)に次いで2位となる。

年末高とはならない例も

また12月は年末にかけて株価が上昇する「掉尾の一振」も意識される。年末の節税売りが一巡するクリスマス前後から買い戻しが入ることが背景とされる。ただ年末高とはならない例もみられる。象徴的なのは2022年のパターンだ。米欧での金融引き締めによる景気後退懸念から、クリスマス休暇前に持ち高を調整する動きが加速し、22年12月の下落幅は1874円(6.7%)と大きかった。

鍵を握るのは外人の動向

足元の日経平均は33年ぶりの高値圏で、今年も目先の利益を確定する動きが広がるかどうか、鍵を握るのは外国人投資家動向だ。外国人投資家は11月第1週~第3週(10月30日~11月17日)の3週間で先物(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)と現物株との合算で2兆2781億円と大幅に買い越した。この間の日経平均は3万538円から3万3599円まで3061円(+10%)も上昇した。

上値が重くなっている原因

ただ、11月20日に3万3853円の高値を付けた後は上値が重くなっている。これは外国人投資家が11月第4週(20日~24日)に先物を4238億円売り越したからだ。
外国人投機筋は円高になると先物を売る傾向がある。11月13日に1ドル=151円90銭まで進んだ円安が11月29日には146円60銭台まで円高が進んだ。米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの思惑を背景に米金利が低下したからだ。

株高基調は今後も続く

米国市場は金利の低下とドル安でハイテク株中心に上昇が続いている。今進んでいる円高は比較的長いスタンスで積み上がった円売りの持ち高整理だろう。投機的な円買いも長くは続かない。米国の利下げが決まった訳でもない。11月29日の国内10年国債の利回りは0.675%と9月上旬以来、2カ月半ぶりの低水準を付けた。
円安基調になれば投機筋は先物に買いを入れる。株高基調は今後も続くだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はフェローテックホールディングス(6890)、ジャパンマテリアル(6055)、TOWA(6315)。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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