経済危機は起こらない【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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ヘッジファンドとCTAの仕掛け

20日の日経平均は前日比595円(2.8%)安の2万0392円で終え、9カ月ぶりに年初来安値を更新した。
2万1000円割れに続き、3月安値(2万0617円)を割れても下げ止まらない株価に個人投資家が恐怖心と追証が発生する危機感から持ち株を投げ売った。このような投資家行動を誘ったのがヘッジファンドとCTAといった外国人投機筋だ。

まさにセイリングクライマックス

投機筋の売り仕掛けはオプション市場の動揺を招いた。日経平均が心理的節目の2万円に接近したことで、権利行知価格2万円や1万9000円のプット(売る権利)の価格が急騰。年内の安値更新や2万円割れはないとみてプットを売っていた投資家が損失埋め合わせのため株価指数先物に売りを出した。新興市場でも個人投資家の投げ売りでマザーズ指数が5.4%急落した。まさにセイリングクライマックスだ。

外人は年間で実質過去最大の売り越し

12月第2週(10日~14日)の投資部門別売買状況で外人投資家が現物と先物の合計で6004億円の売り越しとなった。この内4391億円が先物の売りだ。年初から12月第2週まで外人投資家は現物と先物の累計で約12兆5000億円を売り越した。このままだと、年間で実質過去最大の売り越しになる。売越額は現物株だけで約5兆3605億円と1987年(7兆1927億円の売り越し)以来、31年ぶりの高水準になる見込みだ。

自動売買を繰り返し市場を乱高下

日本株が急落した要因は全てヘッジファンドとCTAの投機的な売り仕掛だ。しかし、今の株安から経済危機に繋がることは考えられない。なぜなら過去の経済危機に共通している要因が皆無だからである。今回の急落は2015年から繰り返されている米国長期金利の上昇による影響から発生するアセットアロケーションの修正により、それまでの過剰流動性相場での均衡が崩れたことだ。単に需給相場が買い手不在の中で発生しているだけだ。そこにヘッジファンドやCTAが株価指数先物を使って、独自のアルゴで自動売買を繰り返し、市場を乱高下させているに過ぎない。HFT(超高速・高頻度)プログラム自動売買を廃止しない限りこのような荒っぽい動きが今後も続く。企業のキャッシュ創造力から割り出した本源的価値に対して、現状の株価は安すぎる。投資チャンスが来ている。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はメディシノバ(4875)、アルテリア・ネットワークス(4423)、ビジョン(9416)。

12月24日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

株式情報と相場見通し

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