厚みを増した経済対策で危機を乗り切れ!【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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追加の経済対策に余念がない

新型コロナウイルスの感染拡大懸念を拭いきれず、不安定な値動きが続く株式市場ではあるが、日米政府にも危機感が増して、追加の経済対策に余念がない。
米連邦準備理事会(FRB)は3月15日に量的緩和の再開を決めて以降、空前の勢いで国債を買っている。連日で700億ドル(約7兆5千億円)近くを買い、2週間あまりで合計8000億ドルを超えた。FRBは3月15日時点では今後数カ月間で5千億ドル程度買う考えだったが、23日に「必要な量」へと切り替えた。市場機能を回復させ、幅広い金融環境へ緩和効果を行き渡らせるためだ。空前の失業者の増加に対して、3月末に成立した2兆ドルの景気対策では、中小企業の給与支払いを事実上肩代わりする制度を盛り込んだ。3500億ドル(約38兆円)の枠を設け、ムニューシン財務長官は「これで離職した従業員を呼び戻してほしい」と訴える。

感染拡大が落ち着く時期は?

トランプ大統領はさらに追加で2兆ドルの財政支出も考えている。また、「6月には経済活動を再開させたい」と主張する。民間調査機関も新型コロナの感染拡大が落ち着く時期を5~6月とみている。世界最大の資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルス終息後の経済は、政府と中央銀行の経済支援策が奏功して順調に回復する」との見方を示した。これまでの金融危機時には政府の対応の遅れが景気回復の足かせになったが、2兆ドルの経済刺激策や金融市場への流動性供給という迅速な対応で、今回の危機を乗り切ると指摘した。

スピードと大胆さが重要

日本政府は経済対策の発表に時間がかかり過ぎではあるが、その分内容に厚みが増してきている。政府は税金や社会保険料の支払いを事実上、1年間延期する特例制度を景気対策に盛り込む。金融庁は株安を受け、企業が政策保有株(持ち合い株)の減損処理を見送ることを容認する。簿価から50%程度までの下落の場合、企業と監査法人が新型コロナが影響した一時的な下落だと判断すれば、処理しなくてもよくなる。企業の柔軟な判断を認め、決算への新型コロナの影響を和らげる。来週には60兆円を超える史上最大の経済対策を発表する。ここからはスピードと大胆さが重要だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はChatwork(4448)、アディッシュ(7093)、ギグワークス(2375)。

4月6日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

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