買戻しのサイクルが続く!!【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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買い戻しが今の株高を引き起こす

コロナ禍で歴史的な経済危機の状況の中、再燃する米中貿易問題や全米での人種差別への抗議デモが続いているにもかかわらず、日米の株式市場の上昇が続く。大規模な経済対策で財政支出が拡大し、潤沢な資金が市場に向うことで過剰流動性が高まっている。2月に暴落した株式市場において積み上がった売り残高が解消に向うことで発生する買い戻しが今の株高を引き起こしている。

相場をリードしたのは個人投資家とETF

コロナショックで売りを仕掛けたのは外国人投資家だ。しかし、大底を打って上昇転換してから相場をリードしたのは外人ではなく、個人投資家とETFだ。外人は3月に現物株を2兆2000億円売り越した。逆に個人は1兆500億円買い越しだ。4月も外人は現物株を8100億円売り越した。5月に入っても外国人は第2週まで現物を2500億円売り越したが、個人は現物を8600億円買い越している。
外人は5月第2週まで、14週連続で累計約8兆円(現物・先物合計)の日本株を売り越す一方、日銀はこの間4兆円弱のETFを買い、個人も約2兆円買い越した。

外人が買い越しに転じたのは2万円台に乗せてから

外人は5月第3週目になってようやく現物と先物を買い越しに転じた。逆に個人投資家は現物を1000億円売り越した。5月第4週に外人は先物を4058億円買い越した。現物は217億円売り越しだ。個人は現物と先物の合計で3305億円売り越している。
つまり、外人が買い越しに転じたのは、日経平均が2万円台に乗せてからである。本格的に買いを入れ始めたのは2万1000円台に乗せてからだ。買いの主体は先物である。逆張り志向の強い個人投資家は2万1000円台乗せからは売り超しだ。外人による先物買いが続き、日経平均がさらに上昇すると、今度は個人が買戻しを迫られることになる。

悪材料が出ても株は下げるところがむしろ上昇

米国では主要株価指数のなかでも最も流動性の高い「Eミニ・S&P500種株価指数先物」の投機筋の建玉は5月26日時点で30万49枚の売り越しと、2011年11月以来の高水準にある。同指数だけで290億ドル(約3兆1000億円)の買い戻しが発生する計算だ。こうした売り建玉の大半で含み損を抱えており、指数が少しでも下落すると損失覚悟の買い戻しが入り、悪材料が出ても株は下げるところがむしろ上昇する。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はアウトソーシング(2427)、川本産業(3604)、ビープラッツ(4381)。

6月8日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。




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