クリミア半島危機と重ね合わせると【転ばぬ先のテクニカル】

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ロシア軍16日に攻撃開始?

ウクライナ情勢が一段と緊迫化してきました。昨朝の海外メディアは、ロシア軍が攻撃位置についたと報じており、これを受けて米国政府はウクライナ大使館の閉鎖と、大使館の電子機器や通信機器の破壊を命じたということです。とにかく情報が錯綜しており、どれが正しい情報なのか私には理解できませんが、ロイター通信が報じた情報では、ロシアの国会が15日、ウクライナ東部の親ロシア派が実効支配する地域の承認案を下院で採決するとしており、その承認が済めば日本時間で16日に攻撃開始という段取りではないかと言われています。

思い起こされるのがクリミア半島危機

ここで思い起こされるのが2014年のクリミア半島危機の時です。クリミア半島の帰属を巡ってロシアとウクライナの間に生じた政治危機です。この政治危機は、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権を崩壊させた2014年のウクライナ大騒乱の後に生じたもので、クリミア共和国とセヴァストポリ特別市の一方的な独立宣言(クリミア共和国の成立)を経て、それらのロシアへの編入宣言に至りました。

地政学的リスクは織り込み済み

この時の戦闘は短期間で終わり、また、軍事侵攻によって米国株が暴落することもなく、短期の下押し後は再び上昇に転じていきました。つまり、今回もロシアがウクライナに本当に軍事侵攻しても、既に地政学的なリスクは織り込まれており、株価はその後反発に転じるのではないかと思われます。

ウクライナ危機当時の経済は深刻

ところで、ウクライナは紛争以外にウクライナ政権自体が汚職にまみれたものが多く、ウクライナ危機当時の経済は深刻な危機を迎えていました。ウクライナ危機も経済不安が一因であり、結局のところウクライナ政府が無能であったと言うこともできます。そこで立ち上がったのが現職大統領のウォロディミル・ゼレンスキー氏です。彼はウクライナで有名なコメディアンでした。

ゼレンスキー氏が大統領に

ウクライナ映画で主役を演じたこともあり、その映画「国民の僕」は元教師が腐敗した政治に怒りを覚え、大統領になって国を再建するというストーリーでした。ウクライナ国民の間では、2019年の大統領選で、ゼレンスキー氏に大統領になってほしいという声が多く出ました。映画のように国を立て直して欲しいという願いがあったのです。そして、ゼレンスキー氏は本当に大統領選に立候補し、77.22%という圧倒的な得票率で勝利したのです。なんとも面白い経緯です。

侵攻後下げ局面があれば買い

さて、今日の東京株式市場は続落して再び2万7000円を割れてきました。ここでテクニカルを論じても意味はないと思います。有事の動きであり、不安心理が高まれば下値支持線は機能しません。問題は実際に軍事行動が起こるのか、起こった場合に様々なマーケットがどんな反応をするのかです。ただ、私は仮に軍事侵攻となっても2014年の教訓通りになるのではないかと思っており、状況を正視して、侵攻後に下げる局面があれば買い向かいたいと考えております。

日々勇太朗

 

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