急激な円高で3万2000円割れ
昨日東京株式市場は小幅高でスタートしましたが、急激な円高進行により、日経平均は6月8日以来の3万2000円割れとなっています。足元の円高は当欄で先週末以降、何度もお伝えしてきました。ある程度予測できた動きではありますが、投機筋の円売りポジションが過去最高水準に積み上がっていただけに、巻き戻しが始まると一斉にポジション解消売りが行われますのでピッチは急になります。
6カ月、12カ月線が強力に下値サポート
下値サポートラインは昨日もお伝えした13週移動平均線が走る139.30円、6カ月及び12カ月線が走る138.50円近辺ということになりますが、今月はこの6カ月及び12カ月線がゴールデンクロスしそうになっており、強力な下値サポートラインとして機能するものと考えます。もしここを割り込んだ場合は26週線の走る136円近辺まで一気に走る可能性はありますが、それは日銀会合で利上げを示唆するケースではないでしょうか。
指数内の過度な集中に対処
ところで、ナスダック100指数が今月24日の寄り付き前にリバランスを行います。これは、ウェートを再配分し指数内の過度な集中に対処するというかなり異例のものです。銘柄の入れ替えはなく、詳細は14日に発表される予定です。
マグニフィセント・セブンに人気集中
「マグニフィセント・セブン(壮大な7銘柄)」と呼ばれるアップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、メタプラットフォームズ、テスラ、アルファベットの7銘柄は、成長期待が大きく、財務にも比較的安定感があるとして投資家の人気が集中。
指数への影響力を40%に減らす
ナスダック100は指数構成比率が1銘柄で4.5%以上を占める大型株の影響力が48%を超える場合、ウェートを変更するというもので、アップルやアルファベット、エヌビディア、アマゾン、テスラなどの大型株が指数に占める比率が現在50.9%となっていることから、この影響力を40%に減らすリバランスが行われるということ。
日本のハイテク値嵩株に悪影響も
要するに上記6社の株を売って、他の銘柄のウェートを引き上げる買いを入れるということになります。そうなると、ナスダック指数に連動させているパッシブファンドが夏休み前にポジション調整を一気に行わねばならず、上記銘柄群の急落により日本のハイテク値嵩株にも悪影響を及ぼすかもしれません。
3万1000円前後が買い場
さて、日経平均は理想の水準に接近してきました。今年の大発会安値が2万5661円で、その後6月19日に3万3772円まで上昇しました。8111円もの大きな値幅が出ましたが、この上げ幅の1/3押しが3万1068円です。また、黄金分割比率38.2%押しとなる3万673円と近似値であるほか、6月19日高値から27日安値(3万2306円)までの下げ幅(1466円)の倍返しとなる3万840円とも大雑把に重なる位置として3万1000円前後が買い場と考えております。
信用買い残高水準で慌てる必要ない
ここより引き付けて、買い場探しの局面と思われます。慌てる必要はなく、今回の調整が終了しても、底打ちして一気に急上昇は考えにくい局面です。というのも、7月7日現在の信用買い残が3.6兆円に膨らみ、21年12月以来、約1年7カ月ぶりの高水準となっているのです。
トレンド崩れていない銘柄の押し目
そのため、底打ち反転したとしても、高水準の信用買いがほぼほぼ含み損を抱えているため、リバウンド局面ではヤレヤレの戻り売りが出てくるために上値を押さえることになるでしょう。右肩上がりのトレンドが崩れていない銘柄の押し目を慌てず騒がず静かに仕込んでいけば良いのです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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