過度な弱気は禁物|光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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底入れ確認にはしばらく時間を要す

 米国10年債金利上昇をきっかけにした米国株の大幅安を受けて、日本株も大荒れの展開である。NYダウは2月8日の終値が2万3860ドルで高値2万6616ドル(1月26日)からの下落幅が弱気相場入りの目安とされる10%以上の下げである2756ドルに達した。リーマンショック以降の長期上昇相場における最大の調整幅2652ドルを上回っており、長期トレンドが転換したのか一時的な調整か、底入れ確認にはしばらく時間を要しそうだ。

外部環境の堅調さは目立つ

 日本株も同様だが、過去の調整局面に比べても外部環境の堅調さは目立っており、ここからの調整値幅は限られると見ている。グローバル投資の損失に絡む換金売りなどで当面は不安定な相場が続く可能性はあるものの、本格的な弱気相場には到らないではないか。調整は一時的で中長期の上昇トレンドは維持されるとの見方は変えていない。

過去の大幅安局面とは違う

長期金利が急上昇した米国でゴルディロックス相場が終焉したと見る向きがある一方で、日本の10年債は依然0.05%前後。株価と金利との関係では、世界同時株安により日本株はさらに割安感が際立っている。業績面の裏付けも、過去の大幅安局面として取り沙汰されているブラックマンデーやITバブル崩壊時とは明らかに違う。PER14倍前後で日柄調整するなら、ことさら先行きを不安視することもなかろう。騰落レシオなどテクニカル面でも売られ過ぎが示唆され、ここからの過度な弱気は禁物である。

株式投資の原点に立ち返る

 業績が良く配当利回りが高い銘柄など、株式投資の原点に立ち返って押し目を狙いたい。個別では東京エレクトロン(8035)。

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光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

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