年後半の相場を占う上で重要な岐路
外部環境の安定を受け、日本株はここにきて戻り歩調を強めている。ただ、日柄面から見れば、年後半の相場を占う上で重要な岐路が近づいているとの認識だ。
高値から5か月前後で重要な節を迎える
アベノミクス以降大きな調整局面は、2013年5月のバーナンキショックと2015年8月のチャイナショックに加え今回で3回目である。一度目は日経平均で高値から約5カ月後に高値を回復して比較的短期間で堅調相場に戻ったケース。二度目は同じ5カ月後に78%戻し達成後、再び大幅下落相場となり最安値をつけるまで丸1年かかった。過去の大幅調整相場を見ても高値から5か月前後で重要な節を迎えることが多い。
サマーラリーから年後半に上昇トレンドが継続する
高値から5カ月後は6月23日で、78%戻しは2万3350円であり警戒感の出る水準ではあるが、今回はここをクリアして、サマーラリーから年後半に上昇トレンドが継続する前者のパターンになる可能性が高いのではないか。
外国人投資家の買い余地は大きい
4月1~5月17日までの上昇率は日経平均が△6.45%でNYダウの△2.53%を大幅に上回っている。米国の堅調な景気指数とインフレ期待率上昇によって円安の動きが加速したことに加え、日本株の割安感が強まったことが背景にあると考える。実際、4月以降外国人投資家は6週連続買い越し(先物+現物)に転じている。金額は2兆円を超しているが、年初から3月までの売り越し額が9兆円弱あったことから買い余地は大きい。一方、為替相場は円安のピッチが速くやや警戒が必要と見ている。
セクターでは出遅れのメガバンク・証券
業績相場が続くことを前提として、外部環境の変化に対応した臨機応変のポジション調整が必要であろう。セクターでは出遅れのメガバンク・証券。個別では東京エレクトロン(8035)の押し目買い。
光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール
1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
東京エレクトロン,米朝首脳会談,パウエルFRB議長,光世証券,西川雅博,米国通商政策
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