エバーグランデ・ショック【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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住宅ブームと過剰借り入れの申し子的存在

昨日の東京株式市場はエバーグランデ・ショックで大幅反落となりました。中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)は当局の債務抑制策により積極的な借り入れ戦略が封じられ、経営破綻の危機に瀕しています。創業25年の複合企業である恒大集団は、中国の住宅ブームと企業による過剰借り入れの申し子的な存在でした。

マンション販売で他社を圧倒

中国がちょうど個人の住宅保有を促す制度を導入した時期に事業を開始。主に中低所得者をターゲットに住宅を建設してきました。かつては恒大集団が手掛けるマンションの購入を目指す多くの市民が長い列をつくり、完成が数年先にもかかわらず全額を現金で支払った人も多かったということです。先払い資金を元手に恒大集団は土地を次々に購入し、マンション販売で他社を圧倒。住宅価格の値上がりの波に乗って、急成長しました。

制限なく資金を借り入れ

しかし、銀行や外国人投資家から制限なく資金を借り入れ、金利が2桁に上ることも多いドル建てのジャンク級債(投資不適格級債)の利払いを抱えてきました。正に自転車操業により売り上げを伸ばしてきたのです。恒大集団に危機の兆候が見え始めたのは、新型コロナウイルス禍に見舞われた昨年のことです。

ロックダウンきっかけに危機に

中国では厳格なロックダウン(都市封鎖)が敷かれ、不動産販売が数カ月に渡り落ち込みました。そこへ資金繰りの悪化を警告する文書がネット上で出回ったことが引き金となり、恒大集団の株や債券が急落。資金調達のため主力子会社の株式上場を目論んでいましたが、先延ばしになったようです。

習近平氏どう手を打つか

中国恒大は、23日に22年3月償還債の社債の利金8350万ドル、29日には24年3月償還債の社債4750万ドルの利払いが控えています。いずれも30日以内に利払いを履行できなければ、デフォルト(債務不履行)となります。ここで習近平氏が国有化などなんらかの手を打つのかどうかに注目が集まります。

恐怖指数跳ね上がらず影響限定的

共産国家故に情報が掴みづらいところがありますが、リーマンショック時のサブプライムローンのように世界中に債券保有者が拡散しているとは思えません。香港市場の急落が欧米各国の株価指数に悪影響を及ぼすことはありますが、VIX恐怖指数が大きく跳ね上がった訳でもなく、影響は限定的ではないでしょうか。

配当権利取りで仕込み場

NYダウは8月16日の最高値以降は調整色を濃くしていました。約1カ月の日柄調整から値幅調整に移った可能性はありますが、明晩の米FOMC次第ではないでしょうか。日本株は足元急騰して31年ぶりの水準だっただけに、ここでのお湿りは過熱を冷ます良い機会だと思います。9月中間決算の配当権利付き最終売買日が来週28日(火)であり、この押し目は絶好の仕込み場に映ります。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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