自律反発も半導体が指数抑える
本日の東京株式市場は自律反発しました。週末の休日中に中東情勢での戦火拡大はなく、中東情勢の緊迫感が緩んだ格好です。先週の下げが大きかっただけに、自律反発狙いの買いが入り、日経平均は一時、443円高の3万7511円高値まで反発しましたが、その後は戻り売りにより上げ幅を縮小しており、売り買いが交錯。プライム市場の騰落を確認するとほぼ全面高ですが、指数の伸びを抑えるたのは半導体値嵩株の続落です。
底入か三段下げに向かう前のリバウンドか
日経平均の日足は先週末の陰線に陽線が孕んだ格好。3月22日高値の4万1087円から4月5日の3万8774円安値まで10営業日。翌日からの反発は2日で留まり、先週末19日安値の3万6773円までの10営業日。対等日柄で二段下げとなり、足元は底入れなのか、三段下げに向かう前のリバウンドなのかの確認中です。
ディフェンシブや金融買われダウは続伸したが…
先週末のNY市場はディフェンシブ株や金融株が買われ、NYダウは続伸しましたが、ナスダックは半導体関連銘柄が引き続き売られ6日続落となりました。エヌビディアが10.2%もの急落となり、完全にボックス相場を下放れてしまいました。
アドテストと東エレクで指数160円押し下げ
そのため、本日の東京市場でのアドバンテスト、東京エレクトロンが両社3%を超える下落となっており、両銘柄で日経平均を160円程度押し下げての370円高です。これら半導体株が落ち着いていたならば、実際は500円高程度の上昇となっていた筈です。
残り少ない買い注文に売りが一気に持ち込まれる
年始からの急騰で、エヌビディアへの投資比率を引き上げたファンドやイナゴのように集まった投資家は多い筈です。ボックス相場形成中は、押し目買い、噴き値売りが繰り返されて株価が支えられてきましたが、ボックス下限を割り込んだ途端に、一斉に狭まった出口に向けて投資家が走り出しました。押し目買い狙いの投資家は買い注文をキャンセルし、残り少ない買い注文に売りが一気に持ち込まれました。そのため、値幅が大きくなったものと考えられます。
レーザーテックは気が付けば年初来安値
これは東京市場でも同様で、レーザーテック株の押し目買い、噴き値売りを繰り返していた投資家が、ボックスを下放れた途端に投げ売りの嵐に見舞われました。レーザーテックは2月16日高値4万3710円、3月22日高値4万3880円、4月12日高値4万3470円と典型的な三尊天井形成となりました。そして先週の急落で、気が付けば年初来安値まで叩き込まれてしまいました。
米国半導体関連銘柄の動向が最大注目
25日移動平均線とのマイナス乖離が17%程度の拡大しており、一旦は自律反発しても良い位置ですが、米国半導体株が調整入りしたばかりであり、予断を許しません。今晩の米国市場における半導体関連銘柄の動向が更に下落が続くならば、日経平均寄与度の高い上記銘柄の更なる調整下落を呼ぶ可能性が高まり、その場合、三段下げへ向かう前の自律反発だという見方が強調されることになるからです。最大注目となりそうです。
スケジュールから日米とも週半ば以降様子見
さて、今週末からGW入りとなりますので、今週は持ち高調整の売りが持ち込まれやすい環境です。スケジュールを確認すると、25日(木)~26日(金)は日銀の金融政策決定会合、また、26日のNYでは3月の個人消費支出(PCE)が発表されます。来週4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されますが、FRBが重視するインフレ指標のPCEを巡り、先行きの金利動向を探ることになります。そのため、日米ともに週半ば以降は様子見となりそうです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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