収益回復ピッチは予想以上|ハリマ化成グループ【銘柄探究】

取材メモ|企業取材 証券市場新聞
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新しい収益分野へもアプローチ

ハリマ化成グループ(4410)の22年3月期第2四半期は計画を上回り営業利益5.5倍と収益急回復、通期予想を上方修正した。コロナ禍で落ち込んだ需要が国内外で持ち直し、新しい収益分野へのアプローチも着々と進んでいる。

海外堅調で国内持ち直し顕著

2Q累計は欧米で粘接着剤用樹脂の売上高が増え、中国の製紙用薬品も好調を持続、国内も各分野で需要が回復しており、従来予想の連結営業利益18億円に対して19億4800万円(同5.5倍)と収益が大幅に拡大した。第3四半期以降も海外事業が堅調に推移、国内の需要回復も顕著になっている。
製紙用薬品は現地3拠点のうち山東と東莞2工場の増産体制が完了、中国国内にとどまらず東南アジア市場を見据えた拡販を本格的に進めていく方針で、米FDA認定の紙力増強剤が欧州、中国でも認定され米国で採用が始まった。2Q劇的収益改善となった粘接着材と印刷インキ樹脂の海外事業ローターはグループのサンパイン社からの原料トールロジン調達によるコスト競争力を発揮、シェアを拡大しており、原料のガムロジ市況高騰に対応した価格交渉も順調に進んでいる。
半導体用機能性樹脂と自動車向けろう付け材料やはんだ付け材料の電子材料は「まだ事業規模は小さいものの成長性が大きい」(会社側)としており、2Qは55%増収と全事業のなか最も高い伸びを示し営業黒字に浮上した。3Qからは自動車向けに開発した冷熱サイクル125℃~マイナス40℃の厳しい環境でも高い耐久性を発揮する高機能ソルダーペーストの納入を順次拡大していく。
さらに、環境保護の観点から見直されているロジン製トラフィックペイント(路面に塗装する白線)の拡販にも乗り出す方針。

地合悪による変則的な安値

22年3月期通期は連結営業利益を31億円から35億円(前期比2.2倍)へ上方修正したが、これは需要動向や原料価格などを厳しく見積もった保守的な見通し。2Q末、期末合わせて年間38円配当を継続する。PER12倍、配当利回り4.7%でPBR0.55%は地合い悪によるイレギュラーな安値だろう。

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