安倍政権が構造改革の目玉として取り組んでいる「働き方改革」が大詰めを迎えている。自民党の二階俊博幹事長は関連法案について、今国会中に与野党協議を実施し、一定の方向性を取りまとめる方針を示しており、長時間労働への対応や人手不足の解消など構造的な問題にメスが入れられようとしている。「働き方改革」が実施されれば人材サービスなどの関連企業の存在が再びクローズアップされそうだ。
人材サービスにビジネスチャンス
「働き方改革」は安倍政権で最大のチャレンジとして位置づけられており、昨年９月から有識者会議が開催され検討が重ねられてきた。「働き方改革」での最大の問題は長時間労働の是正と同一労働同一賃金の是正で、労働環境の改善や正社員と非正規社員での待遇差改善による賃上げなど、年功序列や終身雇用などによる日本の古い雇用制度の抜本的改善を目的としている。
二階氏は民進党など野党が昨年１１月に衆院に提出した「長時間労働規制法案」と調整する考えも示しており、与野党合意による早期の関連法案成立を目指している。「働き方改革」で雇用の流動化が進めばＪＡＣ Ｒｅｃｒｕｉｔｍｅｎｔ（２１２４）やパソナ（２１６８）、テンプホールディングス（２１８１）、フルキャストホールディングス（４８４８）、リクルートホールディングス（６０９８）の総合人材サービス大手や求人情報サイトのディップ（２３７９）やエン・ジャパン（４８４９）にビジネスチャンスが到来しよう。加えて、生産現場での労働力不足でＵＴグループ（２１４６）やアウトソーシング（２４２７）も注目されよう。
