NYでのライフサイエンス上昇が支えに
10月上旬を底にニューヨーク(NY)市場と東京市場は大きく上昇、NYの主要3指数は史上最高値、東京市場でも日経平均は年初来高値を更新した。今回の上昇では業績回復期待から半導体などのハイテク系が牽引したが、目立ってはいないものの、NY市場では医療機器とライフサイエンスセクターが好調な業績が支えになり上昇している。東京市場でも第2四半期決算では医療機器を手掛ける企業が好決算を発表しており、NY同様に好実態が見直される可能性がある。
政策面での支援も後押し
乱高下を経てNY市場は史上最高値を更新しているが、ハイテク系とともに上昇を牽引しているのが医療機器とライフサイエンスに絡む銘柄。トランプ大統領が就任した2017年1月以降、S&Pヘルスケア株指数は33%程度上昇しており、その中で新薬開発断念などで株価下落が相次いだ薬品株を除けば医療機器とライフサイエンス株の上昇パフォーマンスはかなり良くなる。トランプ大統領は薬価引き下げを強く唱える一方で、革新的な医療機器開発のための予算を2020年度会計に計上するなど政策面での支援を行っており、遺伝子治療など最先端の治療法が普及するうえでも新型の医療機器のニーズは一段と高まりそうだ。
日本企業も好決算相次ぐ
そのような中で、東京市場でも医療機器関連の好決算が散見された。日本光電工業(6849)の第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、営業利益で70億900万円(前年同期比64.5%増)と利益が急拡大、ベッドサイドモニタなどの新製品投入や臨床情報システムの更新需要が貢献している。
医療機器・設備を一括販売するシップヘルスケアホールディングス(3360)も第2四半期累計は営業利益で65億円から100億8100万円(同60.9%増)へと大きく上振れした。決算発表後は利益確定売りに押されるなど両銘柄とも実態が反映されておらず見直し余地は大きい。
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