株価下落は投機筋の持ち高調整が要因【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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高値から2000円の調整

日経平均は7月3日の3万3700円台の高値から7月12日には3万1700円台まで2000円の調整となった。
外為市場では1ドル=145円から137円台まで約8円の円高となった。投機筋(ヘッジファンドやCTA)による「円買い・225先物売り」のプログラム売買が下げを加速させた。

きっかけは?

きっかけは財務省・日銀による円買い介入と長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)など金融政策の修正に踏み切るとの思惑である。4月の植田和男日銀総裁の就任以降、金融緩和維持を見込んで投機筋が円売り・ドル買いの持ち高と株の買いポジションを膨らませてきた。

今回の調整は単なるテクニカル的要因

米物価指標の下振れを機に進んだドル安が円売りポジションの解消も巻き込み、急速な円高圧力となった。同時に株を売るプログラム売買が活発になり、持ち高調整が進んだ。今回の調整は単に投機筋が仕掛けたテクニカル的要因であって、景気が減速するような状況から売られたものではないので戻りも速い。

植田総裁は緩和継続の姿勢

日銀の植田和男総裁は18日、インドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に、持続的・安定的な2%の物価目標の達成には「まだ距離があるという認識がこれまであり、長短金利操作(YCC)のもとで粘り強く金融緩和を進めてきた」と語り、緩和継続の姿勢を示した。

仮に政策修正でも買いのチャンス

金融引き締めを続ける米連邦準備理事会(FRB)との金融政策の差が改めて示された。この発言で1ドル=139円台後半まで円安が進み、日経平均も3万2800円台まで上昇、7月12日の安値から1100円戻した。仮に7月28日の金融政策決定会合で政策修正を実施しても、一時的に円高・株安となるが、売りが拡大すれば買いのチャンスとなる。

「NYSE FANGプラス」は過去最高値

また、米国に目を向けると今年の株高を牽引するエヌビディアなど「マグニフィセント・セブン」を含む米巨大IT企業で構成される「NYSE FANGプラス」は7月13日に21年11月以来、1年9カ月ぶりに過去最高値を更新した。S&P500種株価指数は2022年1月に付けた過去最高値(4,796ポイント)まで5%に迫っている。株式市場は景気の先行きを示す最も信頼の高い先行指標だ。現在の状況からは景気が後退することは考え難い。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は前澤工業(6489)、ダイダン(1980)、大和工業(5444)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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