経済学ではスタグフレーション
NY株式って面白いことが本当に度々起こる市場です。15日に発表された11月の小売売上高は0.3%増と市場予想の0.8%増を下回りました。前月が1.8%増でしたから大幅に鈍化しました。11月の消費者物価が6.8%上昇しているにも関わらず、小売売上高が鈍化するというのは経済学の教科書ではスタグフレーションの例として取り上げられる事象です。
テーパリング加速し利上げ回数上乗せ
注目のFOMCはテーパリング(資産購入減額)を加速させるとし、従来の2022年6月終了見通しを3月に前倒しすることを決定。利上げ見通しは2022年に3回、2023年に3回、2024年に2回というのがドットチャートの中央値です。本来は2022年は2回予想でしたので、利上げ回数が上乗せされました。
声明はインフレ長期化も意識
声明では従来のインフレは一時的をいう文言を削除し、長期化も意識した内容となりました。パウエル議長は、もやは量的緩和を必要としていない。資産購入の早期終了で適切な政策対応が可能になるとして、幅広いモノ・サービスでインフレの兆候が見られると話しました。
NY株に連鎖して急騰
この声明を受けたNY株式は織り込み済みとしてあく抜けした格好で大幅高。利上げ2回予想が3回になったのに織り込み済みとは不思議というしかありませんが、東京株式市場もNY市場の反応に連鎖して一時2万9000円台まで急騰しました。
2万9000円前後は壁
ただし、このところお伝えしておりましたように2万9000円前後には25日線(2万8868円)、75日線(2万9076円)、13週線(2万8960円)などの移動平均線が密集しており、これらの壁を明確に超えないことには相場になりません。
クアドルプルのあとはクリスマス
今週末の米国市場はクアドルプル・ウィッチング(メジャーSQ)です。米国市場は毎回クアドルプル・ウィッチング後は9日程度株価が下落しています。その下落場面が仕込み場になるケースが多いのですが、来週はクリスマスウィークとも重なり、米国市場は参加者が極端に減るために、ここで買う必要はないものと思います。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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