上値抵抗値抜ければ年末年始ラリー
遅ればせながら、東京市場にサンタがやってきました。日経平均は2万9121円高値まであり、75日線(2万9057円)や12月16日高値(2万9070円)を抜け出してきました。終値ベースでこれら上値抵抗値を明確に抜けることが出来れば、年末年始ラリーが期待できるでしょう。
受け渡しベースで2022年相場
本日より受け渡しベースでは2022年相場となります。昨日までは節税対策の売りが出ていたことで新安値銘柄が多かった訳ですが、本日より節税対策売りは出ませんので、ここから浮上するには新安値銘柄が激減せねばなりません。
寅年はジグザグの往来相場
さて、この時期になると証券各社から干支にちなんだ株価予想が発表されます。来年の干支は寅ですが、「虎千里を走る」という縁起のよい言葉で強気予想に占められます。しかし、本来の諺では“虎千里往って、千里還る”とされています。このためなのか、寅年は別名「株価の里帰り」とも言われ、過去にジグザグの往来相場となるケースが多いのが特徴です。
唯一上昇はウオーターフロント相場
戦後、東京証券取引所再開(1949年5月)以降の日経平均をみると、過去の寅年の株式市場は6回で、勝率は1勝5敗です。唯一上昇した1986年は、ウオーターフロント(東京湾岸の再開発期待)相場が始まった1989年のバブル期に向かう途上で年率43.9%の上昇という素晴らしいパフォーマンスの年でした。もし株価が上げるなら多くの投資家や市場関係者が予想しない大きな値上りになるでしょう。
下落する場合は平均6.26%
逆に下落する場合は5回の平均下落率は6.26%で、最大下落率を記録したのは第1次オイルショックの底打ち場面の1974年の10.9%です。大納会の終り値が2万9000円だとすると来年の大納会は6.26%下落として2万7173円、10.9%下落とすると2万5839円が想定されます。
大発会と年間安値は厳しい数字
しかし、大発会と年間安値を調べると以下のように厳しい数字が出てきます。
1950年は戦後ドッジデフレの大底の年で7月安値の85円で底打ちしましたが騰落率は7.3%下落でした。日経平均は大発会の108円から一時85円まで21.5%下落しました。
1962年はキューバ危機で揺れた年ですが、11月20日にソ連のフルシチョフ首相が軽爆撃機の撤去に同意し、米ケネディ大統領はその同意をもって海上封鎖の終了を宣言。日経平均は0.8%下落でとどまった年でしたが、大発会は1425円でスタートし、一時1216円まで14.6%下落した局面がありました。
1974年は10月に3355円で第1次オイルショックの安値を付けた年で年率10.9%下落しましたが、大発会は4259円でスタートしましたので、3355円まで一時21.2%下落局面がありました。
1998年は10月に1万2787円まで下落し、ITバブル前の底をつけた年で年率9.3%下落。この年の大発会は15268円スタートで年間安値は12787円なので16.2%下落局面がありました。
そして前回2010年は前年8月末の衆院選で民主党政権に移り、鳩山政権から菅政権へと迷走した年で3.0%下落しました。この年の大発会は10609円でスタートし、安値は8796円でしたから、一時17.0%の下落局面がありました。
年間安値までの平均下落率は18.1%
大発会から年間安値までの平均下落率は18.1%です。大納会の終り値が2万9000円とすると2万3751円まで下げる可能性があります。下げる方向に行くなら平穏な年にはならないということでしょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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