依然予断を許さない状況
昨日の東京株式市場は大幅反発となりました。15日の朝の時点では、ウクライナ情勢でロシア軍が攻撃態勢を整え、16日に攻撃開始の段取りではないかと海外メディアが伝えていましたが、その後、ロシア軍の一部が撤収を始めたとの報道で流れが変わり、15日の米国株は急上昇しました。一方で原油価格が急反落し、長期金利が急上昇とリスクオンの形になりました。しかし、バイデン大統領は「ロシア軍の撤収の動きは確認していない」と述べており、依然予断を許さない状況です。
クリミア奪った時と同じ経緯
15日のロシア国会ではウクライナ東部の親ロシア派が実効支配する地域を、独立国家として承認する案を可決し、手続き的にはいつでも軍事侵攻できることになりました。これは2014年にロシアがウクライナに軍事侵攻してクリミア半島を奪った時と同じ経緯です。前回同様に一旦兵を引き、突如、空爆を交えて特殊部隊投入ということを狙っているのかもしれず、引き続き、いつ戦争が起こってもおかしくない駆け引きと考えておかねばならないようです。
25日線抜けできるか
さて、日経平均は595円高の2万7460円で取引を終えました。5週線(2万7352円)を回復しましたが、25日線が2万7474円に走っており、本日以降、終り値ベースでこれらを抜け出すことができるのかどうかに注目となります。
好転しだした業種別指数目につく
ところで、ここにきて好転しだした業種別指数がいくつも目につき出しました。
水産業が200日線に接近し、25日線が上向きに転じています。建設業は200日線を突破し、25日線と75日線のゴールデンクロスが間近です。食品業も200日線と突破し、25日線が上向きに転じました。ガラス・土石は200日線にタッチ。電気・ガスは既に25日線と75日線がゴールデンクロスし200日線に接近。陸運業は75日線を突破し、25日線が上向きに転じました。空運業は200日線上を固める動きで25日線と75日線のゴールデンクロスが数日で起こりそうです。倉庫・運輸業は25日線、75日線、200日線が収斂し、全ての移動平均線が間もなく上向きに転じそうです。不動産業も200日線に到達し、25日線が75日線とのゴールデンクロスを目指す展開。
グロースからバリューの流れ鮮明
このように見ていくと、内需産業が明らかに堅調に推移しており、一方で化学、ゴム、機械、電気機器、精密機器、情報・通信などは崩れています。流れはグロース株からバリュー株へと移りだしていることが鮮明です。
日々勇太朗
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