米景気指標悪化も上値追い
15日の米国市場では、米NY連銀製造業景気指数が発表されましたが、市場予想のプラス5.5をはるかに大きく下回るマイナス31.3という結果でした。これは2020年のコロナショック時以来の低水準です。このところ米国の景気指標の悪化には驚くばかりですが、マーケットにとってはインフレの鎮静化を映しており、現状は上値追い条件が揃っています。
あくまでベアマーケットラリーの認識
日経平均は3月と6月につけていた2万8300円台の上値の壁を突破してブレイクアウトの形になりました。昨日のモーニングサテライトでは、日経225ダブルインバースETFの発行口数が過去最高になったことを伝えていました。今の株価上昇はあくまでもベアマーケットラリーであり、リバウンドが終わると下げ相場に戻るという認識の投資家が溢れているということ。
米機関投資家の現金比率過去20年で最高
これは米国でも同様で、先週末時点の機関投資家のキャッシュポジションが過去20年で最高になっているということ。私は7月から株高予想に傾いていきましたが、それは米国市場の現金比率が高まっていたからです。ファンドマネージャーはマーケットが荒れると一旦現金化して様子を見ます。
キャッシュ積み上がり日米共に株高局面
しかし、何もしない訳にはいきません。1年間、現金ポジションだけで過ごせば、投資家が逃げてしまいます。また、株価が上がりだした局面でも何も持っていないと言い訳もできません。ドル高が止まり、原油が下がりだし、金利も低下している局面では、逃避した資金が株式市場に戻ることは当然の成り行きであり、キャッシュが積み上がりすぎていただけに、日米共に株高局面になっています。
9月のFOMC以降が重要
今のところ、9月9日のメジャーSQまでは高いと思っています。問題はその後で、9月21~22日のFOMC以降がどうなるのかが重要と思います。9月~10月は暴落シーズンと言われます。そしてその頃には米国のリセッションがマーケットの話題の中心となると見ています。
指数上昇止まると中小型の個別が物色
今のところはドル建て日経平均が200日線に到達すれば、そこからは売り目線で相場を眺め、場合によっては空売りを仕掛けるかもしれません。その前に、足元の上昇は一部の値嵩株による指数優先の上昇です。これが止まると中小型の個別株が物色の中心になると思います。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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