日銀の意図するところは?【転ばぬ先のテクニカル】

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長期金利上限1.0%超え阻止のニュアンス

先週末、金曜日は日銀会合結果への憶測と結果発表で大きく揺れました。イールドカーブコントロールを柔軟に運用するという政策変更に対し、植田総裁は「物価見通しが上振れ、長期金利が0.5%を超える余地をあらかじめつくった」と説明しました。長期金利の誘導目標は±0.5%としたことで、上限は1.0%とし、この水準を超えるならば断固として阻止するというニュアンスを伝えたかに思えました。

現状は0.5%前後が目途

そのため、昨日の国債市場では10年債利回りが0.605%で寄り付き、市場参加者の間では、どの程度の水準で落ち着くのかを見たいといった雰囲気があったと思われます。ところが、昨日の10時過ぎに日銀は急激な金利上昇を避けるため、臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)を通知しました。ということは、YCCを柔軟に運用するための政策変更ではありましたが、日銀は現状は0.5%前後が目途であり、今の経済情勢では0.6%や0.7%に金利が一気に駆け上がるのは好ましくないということなのでしょう。

円安進み株価は上げ幅削る

植田総裁の記者会見で今回の修正は「為替市場のボラティリティーも含めて考えている」と答えたのです。日本では為替の所掌は財務省で、日銀は為替をターゲットにしていません。しかし、為替に言及したことで、円安による輸入物価の上昇が、日銀が想定する物価見通しに収まらない理由付けとした形です。ところが、昨日の臨時公開市場操作により、日銀会合前より円安が進んでしまいました。そして株価は10時過ぎを頭に上げ幅を削る展開となりました。

サマーラリー突入したかに感じるが…

日経平均は25日線を回復し、5日線と25日線がゴールデンクロスしました。このことで、6月高値以降の調整局面を脱し、サマーラリーに突入したかに感じます。しかし、日銀の意図するところが謎であり、今後の流れを考える上では難しくなりました。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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