NT倍率に注目【転ばぬ先のテクニカル】

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米1月PCE発表前に手控え

本日の東京株式市場は小幅に3日続伸しました。米国市場は今週木曜日に1月の個人消費・個人消費支出(PCE)の発表が予定されています。PCEはFRBが消費者物価指数(CPI)よりも重視している指標であり、今年の利下げを占う上で重要なことから、発表前ということで手控え要因となりました。

金融、鉄鋼上昇も半導体利食われなんとかプラス

また、寄り付き前に発表された1月の日本の消費者物価指数が市場予想の1.8%を超える2.0%で着地。このことで10年債利回りが一時、0.7%に上昇したことから銀行株が買われました。日経平均は金融株や鉄鋼株の上昇で、一時、3万9426円高値までありましたが、その後は半導体関連銘柄などに一時利食い売りが持ち込まれてマイナスゾーンへと下落し、引け間際になんとかプラス圏に戻してのクロージングでした。

崩れの指標となるならNT倍率

さて、日経平均はどこまで上げるのか、というのが目下の皆さまの関心事だと思います。これは神様でもなければ分からないことですが、トレンドに崩れがない現状では慌てる必要はありません。一つ、崩れの指標となるとするならばNT倍率のチャートを見ておくことをお勧めします。NT倍率というのは日経平均をTOPIXで割った数値です。NT倍率が上昇するケースでは日経平均優位の展開、下落するケースではTOPIX優位の展開です。

日経平均とTOPIXのチャートを並べてみる


上のチャートは昨年11月末から本日までのNT倍率の日足チャートです。上昇している局面や下落している局面の日経平均とTOPIXのチャートを並べてみて頂くと分かると思いますが、緑の線(5日線)を上回るケースではTOPIXより日経平均の上昇率が大きく、下回るケースでは日経平均よりもTOPIXの上昇率が大きくなります。これは指数が下落している場合は下げが緩やかということにもなります。

NT倍率5日線割り込むと下げやすく

現在のNT倍率は14.63倍で5日線と同じ位置です。ここを割り込みだした場合、日経平均が下げやすくなり、崩れだす最初のサインになるかもしれません。また、この1年では2月16日の14.8倍がNT倍率の最高値です。昨年は6月16日に14.69倍でピークアウトし9月末の13.55倍まで下げていきました。この時は6月19日に日経平均が3万3772円でピークアウトし10月4日の3万487円まで下落していきました。

ハイテク買いのヘッジファンド最速で売却

ところで、相変わらず半導体中心に物色されていますが、今朝のBloombergに気になる記事がありました。「米半導体メーカー、エヌビディアの決算発表までの数週間にハイテク株にマネーをつぎ込んできたヘッジファンドが、ここにきて過去7カ月で最も速いペースで売却に動いている。プロの運用担当者らは先週、エヌビディアが決算を発表した翌日の22日を含め、4営業日連続で持ち高を売却した。ハイテク株買いの利益を確定し、余剰資金を生活必需品などより変動の少ない銘柄に振り向けていることを示唆している。ゴールドマンによると、日用品メーカーはここ10週間で最大の買い越しとなった」というものです。

証券会社店頭にはなにやら怪しい雰囲気

今のところトレンドが崩れた銘柄はありませんが、このところ国内の証券会社店頭に個人投資家が株を求めて来店する顧客が急増しているとも伝わっており、なにやら怪しい雰囲気が出てきていることには留意する必要がありそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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