早期に1月高値更新も|光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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マイナス要因が上値を抑える綱引き相場

 米朝首脳会談から米FOMC、ECB理事会と重要イベントが相次いだ。地政学リスクの軽減や金融政策の方向性が明確になったことはプラス要因ではあるが、安値から相当戻っている局面でもあり、反応は限定的であった。貿易摩擦問題や南欧政局のマイナス要因が上値を抑える綱引き相場の様相だ。

テクニカル分析が足元の慎重な見方に繋がっている

 日経平均株価の1月高値から直近までの値動きは、2015年8月のチャイナショック時のそれと非常に似通っている。当時はこの辺りから再び大幅調整にとなり、2カ月後には一番底をさらに2000円下回る下げに見舞われた。今回に当てはめると7月末から8月にかけて1万9000円近辺までの下げとなる。そうしたテクニカル分析が足元の慎重な見方に繋がっている側面もあろう。

ファンダメンタルズからは15年時と大きな違い

 一方、ファンダメンタルズからは当時と大きな違いがある。予想PERの加重平均を見た場合、2015年当時は2度目の下落がレンジ上限に近い15倍台から始まっているのに対し、現在は13倍台にあってレンジ中央にも届いていない。さらに、110円台で推移するドル円相場や機械受注に見る設備投資予想などからも今期増益期待は根強そうだ。堅調な企業業績と世界景気動向から前回のような下落はなく下値は底堅いと見ている。短期的には5/21の高値2万3050円を抜けるかどうかがポイントとなろう。抜けてきた場合は、調整長期化のパターンが否定され、早期に1月高値を更新する可能性が高まる。

個別では?

 個別では出遅れの味の素(2802)、デンカ(4061)、好業績期待でJPX(8697)など。




相場見通し

光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

東京エレクトロン,米朝首脳会談,パウエルFRB議長,光世証券,西川雅博,米国通商政策

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