高配当利回り銘柄の押し目狙い|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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米国のインフレ懸念

9月前半に政局の流動化をきっかけに急騰した日本株だが、その後の急反落で上値の重さを再確認した格好になった。夏頃までは一時的と見られていた米国のインフレ懸念が原油価格の上昇や供給サイドの圧迫要因により長期化する可能性が危惧されている。

米国の金利上昇の影響は?

9月は株価の調整色が強まっても米国10年債利回りが高止まりして、金利低下により再び株式に資金が戻るという自律調整作用が機能しづらい傾向が見受けられた。米国の金利上昇はグローバルマネーフローの変調をもたらし、新興国への資金流入鈍化や住宅価格の下落、金融機関の不良債権比率の上昇など世界経済の広範囲に悪影響をもたらす可能性があり注意が必要だ。

インフレ懸念は年末に向け沈静化か?

ただ、14日に発表された9月の米生産者物価指数は前月比0.5%の上昇に留まり市場予想を下回った。依然コストプッシュの要因である労働力不足や原油価格上昇が継続する事態を懸念する見方は根強いが、ワクチン接種の推進、供給体制の整備など政策対応が進むことから、インフレ懸念は年末に向け沈静化に向かう可能性が高いのではないか。最近スタグフレーションリスクに言及する向きもあるが、債券市場では足元2年債の金利が上昇、イールドカーブがフラット化して、スタグフレーション期の傾向とは逆行する動きがみられる。

衆議院選挙の関心は従来ほど高くなさそう

米国株のもう一つの圧迫要因である米国債務上限問題は、定期的に訪れる恒例行事とも言え大きな問題には発展しないだろう。一方、日本の衆議院選挙に関しては解散から投開票日までは株価が上昇しやすいとのアノマリーがあるが、今回は自民党総裁選と重なり先駆けて急騰したことやインパクトのある結果が予想されにくいことから、株式市場での関心は従来ほど高くなさそうだ。

景気回復を好感する業績相場の環境が続く

年末に向けて日本株は、サプライチェーン制約による米国インフレ懸念と金利動向に左右されるだろう。金利上昇が過度ではなく想定の範囲に留まれば、景気回復を好感する業績相場の環境が続く。鍵は労働力確保という点で新興国を含む世界的なコロナ感染とワクチン接種状況だろう。日本郵政第3次売出しは前回より大幅に価格が低く、需要動向から全体の需給悪化にはつながらないだろう。

個別には?

原油相場の落ち着きと新興国でのワクチン普及にメドがたてば、米国のインフレ懸念鎮静化から年内に再度リスクオン相場も期待される。戦略としては高配当利回り銘柄の押し目を狙いたい。個別には横浜ゴム(5101)安川電機(6506)三菱自動車(7211)

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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