年後半は上げる可能性大|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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米AI関連株の業績が市場予想以上に飛躍

米AI関連株の業績が市場予想以上に飛躍している。金融政策や景気動向などファンダメンタルズの重苦しい不透明感を払拭するほどのインパクトだ。従来の循環論的見地では景気後退と逆業績相場が気になる局面だが、改めて技術革新がもたらす産業構造の変革スピードを意識させられる。関連銘柄には追い風になろう。

FRBは中立姿勢を堅持するのがメインシナリオ

昨年は、ジャクソンホールでパウエル氏が急速な金融引き締め継続を示唆し、マーケットは波乱含みになった。NYダウは1カ月で10%以上下落している。それだけに今年は事前に警戒する向きが多かったようだ。ただ昨年とは金融引き締めの局面が違う。イベント通過が安心感につながり逆の目が出ることもあるのではないだろうか。FRBは当面楽観論をけん制しつつ景気後退にも配慮するという中立姿勢を堅持するのがメインシナリオだろう。

大統領選前年は上昇率が高い

1970年以降4年ごとの米大統領選サイクルと米国株価の年間騰落率の関係を見ると、最も上昇率の高いのは大統領選前年で平均16%の上昇である。2位が大統領戦翌年の10%なので4年サイクルでは断トツのパフォーマンスだ。しかも、年央から9月あたりまで低迷した年ほど年末には大幅高の傾向が見られた。今年は年初から現在まで3%程度の上昇に留まっており、アノマリーからは上げる可能性が大きい年後半と言えそうだ。来年の大統領選を控え、マーケットフレンドリーな政策や情報発信が期待出来る時間帯である。

半導体関連や高配当銘柄の押し目買いが有効

足元で日柄調整色を強めている日本株だが、業績見通しは概ね好調だ。コンセンサス予想も徐々に上振れており現在の今期予想増益率は7%程度である。日経平均予想PER(構成ウエイトを考慮した値)のレンジ上限(12カ月移動平均+1標準偏差)は34170円まで上昇した。日経平均がキャッチアップして高値をつけた6月中旬当時は3万3370円だったので約800円水準訂正している。逆にこの間株価は調整しているため、約2500円幅の上げ余地が生じている。秋から年末にかけインバウンドや円安効果により業績の上振れモメンタムは継続すると見ており、半導体関連や高配当銘柄の押し目買いが有効な局面だろう。

個別では?

個別では日本郵政(6178)(8035)。ソフトバンクG(9984)。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

 

1960年奈良県生まれ 大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

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