短期筋が一気に買戻し
先週の日経平均は前週末比約25円安と反落した。だが、週足では寄り付きが低く始まったため2週連続陽線となった。
動きとしては9月米CPI(消費者物価指数)の発表を控え週前半は警戒して軟調な動きとなったが発表後は急騰した。
「噂で売って事実で買う」のパターンであった。
今年の傾向として米CPIの発表で下落するケースが多かったのでそれを狙って仕掛けた短期筋が一気に買戻しをしたようだ。
再び上値の重い相場展開か?
発表数字は市場予想よりも高い伸びではあったが前月よりも低くなっておりインフレピークアウト感が出て買戻しが出たとの解釈が一般的だ。
だが、結局は売りが高水準にたまってたのでちょっとしたきっかけで戻り易かったということだろう。買戻しが終了すると再び上値の重い相場展開になると思われる。
金利引き上げによる副作用
11月のFOMCで0.75%の金利引き上げは織り込んだと思われるがインフレのピークアウト感は感じられない。
金融の引き締めは当面続くと思われるが金利引き上げによってデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせた債券運用に大きな損失が出始めている事には注意が必要である。
デリバティブを駆使した商品の損失が目立つ
英国の年金基金がLDI(債務主導投資)という運用戦略をとり1500億ポンド(約25兆円)の損失となったりクレディスイスは債券投資の失敗で経営危機説まで流れている。
日本でも銀行や証券会社の収益源である「仕組み債」の販売が中止になるなどデリバティブを駆使した商品の損失が目立ち始めた。
突然金融破綻などの可能性も
債券投資はデリバティブを組み合わせると損失が表面化しにくくなる傾向がある。ゆえに突然金融破綻などの可能性もあり金利が上昇傾向のうちは注意が必要である。
上昇傾向を継続にするには?
今週は先週の戻りの強さを試す展開になると思われる。上昇傾向を継続にするには25日移動平均線(2万7148円処)を明確に抜いてくる必要がある。
その上は2万7400円処に戻りゾーンがありその水準を抜いてくれば雲の下限(2万7532円処)を目指す展開が期待できる。
3日に付けた窓を埋めにいく?
一方、下値は転換線(2万6511円処)、更に上昇時付けた窓(2万6408円31銭)で止まるかどうかである。止まらないと3日に付けた窓(2万6223円84銭)を埋めにいく可能性が高い。
今週のレンジは?
今週のレンジは2万6100円から2万7200円。売り仕掛けする材料は乏しいが上値の重い展開が続くと思われる。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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