バイオ系物色は一過性ではない
米中通商交渉の着地点が見出せず輸出系の膠着感が強まるなかで、今年前半のマーケットはサンバイオ(4592)の急騰からの急落やアンジェス(4563)の暴騰に代表されるようにバイオ系が牽引した。バイオは内需系とともにディフェンシブとして全般相場の調整下で物色される傾向が強いが、再生医療を含めた研究開発進展が国内外の投資家から高い評価を得ていることも大きな要因となっている。バイオ系物色は一過性ではなく中長期視野で続く可能性が高そうだ。
日本企業の研究開発力の高さを見直す
日本の製薬企業についてはこれまで海外からの評価が低かったが、シャイアー買収で武田薬品工業(4502)が世界トップ10入りを果たすことで、大手製薬会社はもとより、バイオベンチャーを含めて日本企業の研究開発力の高さを見直す動きになっている。そのような中で、バイオ系のカツ入れ役となったのが、HGF遺伝子治療AMG0001(コラテジェン)が期間限定で承認されたアンジェス(4563)の1320円までの株価急騰だ。同社株を300円台の安値から注目していた株式評論家の高野恭壽氏は「理想買いは一巡した」とするものの、「2021年3月期に米国での発売も加われば、毎年のように売り上げ利益ともに拡大することで株価も連動して水準を上げていく」と指摘、同社株の評価は一過性では終わらないとしている。
アンジェス以外では?
アンジェス以外では、世界初の遺伝子組み換えカイコによる医薬品生産へ向け、研究開発や非臨床試験などを加速させている免疫生物研究所(4570)や19年12月期に設立後初の黒字化の確度が高まっているラクオリア創薬(4579)も株価上昇に弾みが付いている。出遅れ的存在ではメディシノバ(4875)でMN001(ヒデルカスト)が進行型多発性硬化症などでのフェーズ3入り接近が期待される。
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