パッシブ運用の弊害【転ばぬ先のテクニカル】

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個人投資家の懐は温まらず

昨日の東京株式市場は続伸しました。規模別指数をみると大型株指数が一時1.3%程度の上昇。その時の中型株指数が0.3%程度、小型株指数に至っては0.1%程度なので、個人投資家にとっては日経平均が急騰しても懐は温まりません。普段なら考えられない相場ですが、これはパッシブ運用の拡大により、指数先物オプション主導のアルゴ取引がもたらした弊害と言えましょう。

日経平均構成比率上位銘柄を買い上げる

ファーストリテイリングが10万円台に乗せ、最低単位の100株を買うのに1000万円が必要です。時価総額は10兆8000億円となり、「ZARA」ブランドを展開するスペインのインディテックスの992億ドルを抜きました。日経225の構成比率が12%超のファーストリテイリング、7.5%のSBG、この2銘柄で日経平均は200円押しあげられました。日経平均というベンチマークに連動するパッシブ運用により構成比率上位銘柄が買い上げられているということです。

日経平均採用の82銘柄が値下がり

それにしても1月末の日経平均終値は2万7663円です。わずか10日間で約3000円の上昇!日経平均の25日移動平均線との上方乖離率は一時6.7%に達しました。ただ、全面高ではないのです。前場の引け段階では33業種別指数をみると水産、繊維、ガラス、金属、機械、輸送、ガス、陸運など8業種が値下がりでした。日経平均採用225銘柄のうち82銘柄が値下がりしているのが目につきました。

指数よりも個別が先に天底打ち

また、日経採用銘柄をみると三菱電機やNEC、TDK、日東電工などが値下がり。また、日産、トヨタ、SUBARUなどの自動車主力も値下がり。京王、京成、小田急、JR各社も値下がりです。なによりも値下がり銘柄が1130に対し値上がり銘柄は963でしたので、指数優位のインデックス買いが主体であり、中身の内容は乏しく感じました。いつもそうですが、指数よりも個別が先に天底を打ちます。主要企業の中には先に天井打ちとなる銘柄が出始めてきており注意が必要です。

急速に値を消しクロージング

結局、日経平均は前日比383円高の3万467円高で取引を終了。14時半ごろにイラクで米軍駐留拠点付近にロケット弾攻撃があり、死傷者は負傷者に米国人が含まれているというニュースが流れたことが要因と思われますが、急速に値を消し高値から247円押してのクロージングとなりました。規模別指数は大型株が0.96%上昇に対し中型株が0.01%上昇、小型株は0.2%下落となりました。

米30年債利回り2%台に上昇

ところで時間外取引の米30年債利回りが2.04%まで上昇しました。あと0.3%程度上昇するとS&P500の利回りを越えてしまいますので、債券市場から目が離せません。

日々勇太朗

相場見通し

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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