定石通りのリバウンド【転ばぬ先のテクニカル】

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一旦止まり目で押し目買い

本日の東京株式市場は続落となりました。昨日のNY市場は半導体株が続落したことで、今朝の東京市場も重苦しいスタート。日経平均は一時3万8271円まで下落し、3万8500円近辺を走る25日線を割り込む場面がありました。ただ、一目均衡表の基準線が3万8165円に位置しており、一旦の止まり目として、その後は徐々にリバウンドとなりました。3月7日高値からわずか4日間で2201円幅もの下落となったことで押し目買いが入った格好です。

プラス圏に戻せず戻り売り圧力

しかし一気にプラス圏にまで戻すことが出来なかったことは、戻り売り圧力の高まりを感じます。巷では依然として強気派が多く、今の下落は押し目買いだといった意見が多いようですが、それはエヌビディアなどの半導体株が急落した割に、NY主要3指数の下落が限定的なことにあると思われます。ただ、私は果たしてそうなのか、と疑問を持って相場を見ています。

短期調整で4万円回復から上昇再開難しい

このところ連日お伝えしているように、6日にドル円が25日線を割り込んで円高転換したこと(現在、75日線で止まっているため、ここで反発する可能性はあります)、7日に日経平均の日足ローソク足が最高値から陰線包み足になったこと、7日のNY市場で半導体SOX指数とエヌビディアの日足ローソク足が陰線包み足となったこと、昨日の急落で日経平均もTOPIXも新値3本足が陰転したことなどで、信用取引の買い残高が4兆円を超える現状では当面、戻り売り相場を余儀なくされるであろうこと、などを考えると、短期間の調整で再度、日経平均が4万円台回復から上昇再開となることは難しいと考えています。

利下げ急ぐ必要なく米国株は調整不足

今晩は米2月の消費者物価指数が発表されます。昨日、ニューヨーク連銀が発表した2月の消費者調査によると、1年先のインフレ期待は3%で前月比横ばいとなりましたが、3年先のインフレ率は1月の2.4%から2.7%へ、5年先のインフレ率は2.5%から2.9%に上昇しました。この数字を見る限り、足元のインフレ率は2%台で下げ止まる可能性が高く、市場が期待するほどFRBが利下げを急ぐ必要はないのではないかと思います。今晩の消費者物価指数次第のところはありますが、米国株には調整不足と見ており、今晩の結果次第で波乱の展開もあり得るのではないでしょうか。

日銀は昨日ETF買い見送り

また、昨日は前場段階でTOPIXが2%以上下落しました。異次元の量的緩和を続けてきた日銀は今まで前場段階でTOPIXが2%以上下落すると、株価下支えのためにETFを購入してきましたが、昨日は買いを見送りました。このことはマーケットに対する強烈なメッセージだと思います。

何%下げればETF買うのかを試す

マーケットは今まで後場から日銀がETFを買ってくることを想定し売り仕掛けを抑えてきましたが、そうではないと知ると、では何%下げれば買うのかを試そうとします。そのため下落幅が大きくなることが予想されます。

市場は疑心暗鬼に囚われる

来週18~19日の日銀会合でETF購入に対する何らかの声明が出るのかもしれませんが、決定会合以前に方針を変更することは考えられないため、市場は疑心暗鬼に囚われてしまいます。そういう意味で、昨日の日銀の態度は悪い事例として参加者の買いの手を止めることになると思います。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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