6月高値をようやく抜いたが…【転ばぬ先のテクニカル】

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米国は良くも悪くも株高材料

一見、悪材料も、逆に好材料も、全て株高支援材料と化す米国市場。1日発表された8月ISM製造業景況指数は1年9カ月ぶりの高水準。これは好材料と言えるでしょう。2日に発表された8月ADP雇用報告は市場予想の117万人増を大幅に下回る42.8万人増。これは回復軌道に乗る経済指標の中で、労働市場だけが鈍化という意味では悪材料と言えるでしょう。しかし、ハト派的な連銀幹部の発言もあり、先々の追加緩和材料と前向きに捉えられた模様。良くも悪くも株高材料として理解するあたり、今の米国市場はバブル相場と言うしかありません。

日本のバブル相場と重なる

ブラックマンデー以降の日本のバブル相場と重なります。1987年10月の暴落水準を日経平均が回復したのが1988年4月の事。約半年掛かったことを考えれば、コロナ前のNYダウ水準を回復するのは今月で、そこから更に1年半程度上昇した89年12月に日経平均が大天井を打ったことを考えれば、米国市場の大天井は再来年3月なんてことが起こるのだろうか?しかし、80年代の空前のバブル好景気と現下のコロナ禍での景況感は全く異質です。

高値抜けも売買代金膨らず陰線

それはさておき、昨日の日経平均は3月以降の戻り高値を更新しました。問題はTOPIXです。引け際なんとか6月高値の大引けベース高値である1630.72ポイントを抜く1631.24で取引を終えましたが、どうにもこうにも上値が重く、何か悪材料でも内包していて、大きな売り方が存在するのではないかと疑いたくなる動きです。高値抜けにも関わらず、値上がり銘柄1168に対し値下がり銘柄も898と多く、また、売買代金も1兆9362億円を全く膨らみません。結局、日経平均もTOPIXも陰線形成ですので、戻り売りも出ているということです。

ナスダックが首吊り線に近い形

また、2日の米国市場でも主要3指数ともに2日は上昇し、ダウ平均は6カ月半ぶりの高値。ナスダックやS&P500も連日の最高値更新となっていましたが、前日41%高と急騰したZOOMが7%超の急落となったほか、大株主である英投資会社が保有株の一部を利食いしたと伝わりテスラが6%安と続落。ナスダック指数は220ポイントの下髭を引き、実態部分は9ポイントプラスとなる首吊り線に近い形。天井形成とも取れなくないところが悩ましいところです。

菅官房長官発言でSBIHDに注目

個別では先日、ご紹介した農業総合研究所(3541)は順調に上値を追いかけています。本日は、3日に急騰してしまいましたが、SBIホールディングス(8473)に注目したいと思います。2日夕刻に菅官房長官が総裁選出馬宣言の記者会見を行いました。その中で携帯電話料金の更なる引き下げに加え、全国に103ある地銀の数が多すぎることに言及しました。地銀の業界再編を担うべく動いているのがSBIホールディングスです。

ボックス相場を上放れ

かつてソフトバンクの孫さんの右腕であった北尾氏率いるSBIは再編の目玉であり、菅官房長官との面識もあるということで、昨日の日経新聞には「大阪・神戸を国際金融都市に」と吉村大阪府知事とも既に面会し、賛同を得ているということです。株価は6月以降、2100円~2450円でのボックス相場を上放れてきており、昨日は1月高値を更新。昨年7月高値を抜ければその上の水準にシコリはありません。押し目は積極的に仕込んでいきたいところです。

日々勇太朗




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