年末に2万3000円程度まで上昇も
日経平均の連騰が話題になっているが、売買高や個別株物色の動向に過熱感はない。将来の楽観的見通しを織り込み出したというより、足元の企業業績に対して割安に放置されていた株価がようやくフェアバリューに是正されたということであろう。
テクニカル面でも、過去1年間の1万8000円~2万円のレンジ相場を大きく上抜けた意味は大きい。高値警戒によるスピード調整があっても押しは浅く、長期上昇トレンドは継続すると見ている。日経平均レバレッジETFの信用買残は、9月のピーク715万口から249万口(10/13現在)に急減した。一方、日経平均の下落率に対して2倍の割合で上昇するベア型ETFの日経ダブルインバースの信用買残は、2616万口(同)と1カ月で1000万口以上増加している。上昇過程における国内勢の慎重・弱気姿勢が見て取れ、ショートポジションの積み上がりは、需給面からも上昇相場が容易にピークアウトしないことを示唆している。
間もなく本格化する9月中間決算発表にも期待が持てそうだ。バリュエーションで見た場合、現在の日経平均は、2005年以降の予想PERの平均値を直近の利益予想に当てはめた2万0720円を少し上回っている。ただ、ドル円相場や景況感から通期見通しの上方修正の可能性が高く、趨勢的には年末に向けPERの上限である標準偏差+1の2万3000円程度まで上昇があってもおかしくない。
個別では業績好調の住友化学(4005)、バンダイナムコホールディングス(7832)、出遅れの凸版印刷(7911)、12月決算で高配当利回りのJT(2914)など。
◆光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏◆
◆1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当◆