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ここからの値幅調整は限定的
米金利上昇をきっかけにした米国株の波乱や円高に加え、トランプ大統領の関税引き上げ表明、米朝首脳会談報道など大きなニュースが相次いでいる。短期の消化が困難な外部環境の動向に投資家の慎重姿勢がしばらく続くとしても、ここからの値幅調整は限定的と見ている。期末に向けて、配当取りや権利取りの下値支え期待もあり、徐々に落ち着きを取り戻す動きとなろう。
想定外の負の連鎖に陥る可能性も極めて小さい
米国通商政策に関しては、世界的な保護主義の台頭を招くリスクがあり予断を許さないが、トランプ流の特異な政治手法の側面が強く事態は市場が懸念したほど悪い方向に進まないのではないか。時間の経過とともに実効性の乏しさが明らかになっていくと見ている。実体経済はAI革命などを背景に着実な成長が続き大きな変化はない。パウエルFRB議長は金融機関のレバレッジ比率は今回の株安や金利高を受けても健全と語っており、金融危機時のような想定外の負の連鎖に陥る可能性も極めて小さい。
好業績期待で値動きのいい優良株を狙う
日本の政治は安定していると見られてきたが、海外投資家にとって現在の国会論議に見られるような閉塞感は日本売りの材料になる懸念があり留意が必要であろう。そうした中で、米朝首脳会談合意の報道はサプライズである。地政学リスクが日本株アンダーパフォームの大きな要因であったとすると、今回の会談で大きく流れが変わる可能性があり要注目だ。期末に向け日経平均は、2万1000円~2万2500円の底値固めを予想している。好業績期待で値動きのいい優良株を狙いたい。個別では引き続き東京エレクトロン(8035)。
光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール
1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
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