早期に安倍辞任消化へ|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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外人買いが続かない

日経平均株価は8月になり米国株高につられる形でコロナショック後の高値を更新した。ただ、商いの盛り上がりには欠けその足取りは重いままだ。追加金融緩和で増加するマネタリーベースや日銀のETF買いが下値支えとして強力に作用していることが、逆に上昇局面においてもボラティリティーの低下につながっている。外国人投資家も8/11~8/14の週には大きく買い越したものの翌週は売り越しに転じ、買いが続かない状況である。

新首相でも当面の金融財政政策に変化ない

そうした中、金曜日後場になって突然安倍首相辞任のニュースが報じられ、この膠着相場に一石が投じられることになった。政治的安定という点では不透明感が増すが、金融政策面での影響は平時であればアベノミクスの終焉というネガティブサプライズのはずがコロナ禍による世界的大規模金融緩和の真っただ中にあることで最小限に留まると考える。また、最近安倍政権の求心力が低下していたことが日本株の上値の重さの要因になっていたとも言え、首相辞任による値幅調整は軽微に終わる可能性が高いと見ている。当面は8年近くの長期政権が終わることの歴史的な意味と、次期政権の財政政策その他の重要政策を見極めようという市場の反応だろうが、現在の政局動向から政治的混乱や大きな政策転換はなさそうである。新しい首相になっても当面の金融財政政策に変化はなく、マーケットは比較的早い時期に安倍辞任を消化するであろう。

米国株と日本株のパフォーマンスに格差目立つ

コロナショック以降世界的に強気相場が継続してきたが、ここにきて米国株と日本株のパフォーマンスの格差が目立っている。特にAIやIT・オンライン関連株がけん引するナスダック市場の上昇ピッチはすさまじく、連日新高値を更新し直近ではコロナショック前の高値から18%以上上回る水準である。指数を構成する主要企業が製造業である日本株の戻りの悪さは、コロナの影響が長引く業態が多いファンダメンタルズが反映していると言えよう。

中長期的には株価指数の日米格差は縮小

ただ、米国株に関しては、テクニカル的な過熱感があることやパウエル議長の発言から長期金利が上昇に転じる兆候が見られ注意が必要と見ている。一方、日本株はコロナ感染状況がさらに悪化せずに好転した場合は割安な水準にあるものが多いと考えており、中長期的には株価指数の日米格差は縮小に向かうのではないだろうか。

近い将来主力銘柄の巻き返しもある

足元では一部新興株に個人の資金が集中している格好だが、近い将来主力銘柄の巻き返しもあると見ており、特に9月中間期を意識して出遅れの景気敏感株や鉄道、空運などのバリュー株に注目している。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当




株式情報と相場見通し

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