上下に大きく振れた
先週の日経平均は前週比末約102円高と上昇して引けた。
週初には米国の早期利上げ懸念により日経平均は953円安と今年2番目の下げ幅を記録したが翌火曜日にはその下げ幅の9割を埋める上昇となり上下に大きく振れた週であった。
インデックスファンドの売りも下げを加速
週末に何かあれば日本株は他のアジア市場に比べて大きく動く。これは日本の先物市場が発達している(流動性が高い)為ヘッジ売りが出しやすいということもあろう。特に下がるときは自国の市場が開いていない欧米の投資家のヘッジ売りも入るため想定以上下がるケースが多い。また、日経平均の2倍の動きを目指すインデックスファンドの売りも下げを加速する要因でもある。
投げ売りや追撃売りが増加
今回は「日経平均レバレッジインデックス連動型上場投信」の信用取引の信用倍率が6.41倍と買い残が高水準であったが急落後は5.43倍になっており投げ売りや追撃売りが増加したようである。
もはや日銀頼りはできない
更に日銀のETF購入が全く期待できなくなっている点も大きい。今回は前場の段階でTOPIXが2%以上下落していた為日銀のETF購入は期待されていたがその規模は701億円と従来の規模と変わらなかった。
「相場が大きく変化した時柔軟に対応する」と言ってたことがこの結果であったことにもはや日銀頼りはできないと改めて感じた投資家も多いであろう。
日本株は仕掛けやすい
売りを仕掛けるヘッジファンドにとっては日本株は仕掛けやすくなったということである。今後も日本株だけが大きく動く機会は増えそうである。
相場は暫くは動きにくい展開となろう。下は先週の安値(27795.86円)であく抜け感がある。しかし、29000円を超えてくると売りが増加しこれをこなす材料に乏しい。
今週のレンジは?
チャート的には一目均衡表の雲の上(28935円)を抜けてきており上昇志向は継続である。しかし、転換線(28638円)と基準線(28638円)が横ばいに推移しており揉み合い相場を示唆している。
下値は雲の上限(28935円)、25日線(28888円)、転換線(28638円)、28500円、雲の下限(28290円)が意識されよう。上値は16日の窓埋め(29263.72円)が意識されるが今週は上値の重い展開を想定する。
今週のレンジは28300円から29300円を想定する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp