週足では3週連続で陰線
先週の日経平均は前週比末約62円高となったが月曜日に大幅上昇で始まったため週足では3週連続で陰線となった。
新型コロナウイルスの第5波の拡大が収まらず第4度目の緊急事態宣言発出も人流は増加する一方でワクチン接種拡大が唯一の対策となってきたがそのワクチンも供給の遅れで一向に進まない。そんな中、国民の感情を無視するようにオリンピックが今週から始まるが海外からくる選手や関係者は厳格な行動制限が付いて回り本来の日本の良さである「おもてなし」精神を感じることもないだろう。
今や感染者が増えるごとに相場は下落
こんな状況下で開催するオリンピックは経済効果が少ない上にそれ以上のデメリットのほうが多いと感じているので海外投資家は日本株を「見送り」としているようだ。米国市場や上海市場、ドイツ市場が上昇する中、日本市場は下落を続けている。以前であれば新規感染者数の増加が対策期待に繋がり株価を上昇させていたが今や感染者が増えるごとに相場は下落する状態となっている。
政治不安さえ感じ始めている
海外投資家も今の日本では経済の急回復のシナリオが描けないのに加えて菅内閣支持率の低下による政治不安さえ感じ始めているようだ。7月4日の東京都議選での自民党苦戦から株価が低迷しているのは政局への不安が要因ともいわれている。デジタル化が急激に進化、発展していく世の中でそれをうまく活用できない60代、70代の人が国の中心にいるのは国にとってはマイナスである。10月の総選挙では痛みを伴っても大きな変化を求めたい。
窓埋めの2万8240円21銭は意識
今週は3日間の立ち合いとなるため、先物に振り回される相場となろう。日経平均の手口ではクレディスイスの売り建て玉が目立っており戻り相場では踏み上げも期待できるが下げ局面では売り乗せも十分考えられるので注意したい。
チャート的には一目均衡表の転換線(2万8135円処)を下回っており売り圧力が強そうである。7月に入って窓を開けて上下することが多いがその窓もすぐに埋める傾向にあり窓埋めの2万8240円21銭は意識されそうである。
連休前のポジション調整には注意
その上は節目の2万8500円が抵抗ラインとなってこよう。さらに、25日移動平均線(2万8703円処)では戻り売りが出てきそうである。一方、下値も2万8000円を割れてくると年金らしい買いが入っており下支えとなっているようである。だが、再び2万7800円を割ってくると2万7400円処まで下げる可能性もあろう。
今週は27400円から2万8500円のレンジを想定する。連休前のポジション調整には注意したい。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp