ナスダック指数と200日移動平均線との乖離率
先週の日経平均は前週比約322円高と3週間ぶりに反発し、2月の新型コロナウィルス拡大前の水準に戻した。しかし、NY市場の上昇により連れ高した感が強く、独自の強さは感じられない。
NY市場も高値更新が続いているが高値警戒感が台頭し始めている。その一つにナスダック指数と200日移動平均線との乖離率である。9月2日時点で28.7%と2000年3月以来の水準となっている。
過去に乖離率が25%を超えた局面ではその後調整に入ることが多く高値波乱の警戒が必要である。
根拠のない安心感
米国では、新型コロナ対策で失業給付金を週約370ドルから600ドル増やし970ドルとしたことにより米国市民にも金余り現象が起き株に投資する個人投資家が急増、この株高を演出したと思われる。11月の米大統領選まで「株が下がればトランプ氏が何か政策を出す」との根拠のない安心感で相場は保たれているが米中関係が緊迫する中でちょっとのきっかけで先週末のような高値波乱が今後も起こると思われ今後は警戒が必要である。
米国の9月パフォーマンスが悪い
米国市場では9月の株式市場はパフォーマンスが悪いとのアノマリーもあり今月はボラティティの高い展開となりそうである。
国内市場では今週はメジャーSQ週である。先週はナイト・セッションで大きく動くケースが目立ったが今週も米国市場に合わせてナイト・セッションで大きく動いてきそうである。
また、直近で裁定取引の売り残高が1兆6106億円と引き続き高水準のため相場の動き次第では上昇に拍車を掛けるケースもあろう。
今週のレンジは?
チャート的には一目均衡表の基準線(2万2645円処)、転換線(2万3088円処)が横ばいになってきており揉み合いを示唆、ボリンジャーバンドもバンド自体は収斂してきておりレンジの動きとなりそうである。
下値抵抗ラインとしては節目の2万3000円、25日移動平均線(2万2912円)が機能しそうである。割れてくると-1σ(2万2822円処)、雲の上限(2万2549円処)が意識されよう。
上値メドとしては4日の窓埋め(2万3431円04銭)、上値抵抗トレンドラインの2万3600円処が上げられよう。
今週のレンジは2万2500円から2万3600円を想定する。
(ハチロク)