3つのシグナル【転ばぬ先のテクニカル】

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NY株はワクチンへの期待が支える

最初にお詫びと訂正です。昨日の当欄で16日の明朝にもFOMCの結果とパウエル議長の声明が発表されますとしましたが、カレンダーを見間違えておりました。17日明朝です。申し訳ありません。
さて、ポジティブマーケットのNY市場は16日は大幅高でした。ファイザーに続き、モデルナの新型コロナウイルスワクチンの緊急使用が今週中に許可されるとの期待が相場を支えましたが、この話は先週末に伝えられていました。それに加え、与野党の指導者が失業保険の拡充や中小企業支援に絞った経済対策法案を公表しており、合意成立への期待から上昇しました。こちらは当初の与野党案からは随分と規模が小さくなっていますが、お構いなしです。

日経平均は7日高値に迫るもUターン

日経平均はNY高により寄り付きは買い先行でスタートしましたが、寄り付き直後に高値を付けたあとは徐々に値を消す展開となりました。FOMCの結果発表前故に上値追いが出来なかったのか、クリスマス休暇入りにより海外投資家の市場参加が減少したのか分かりませんが、日経平均は12月7日の高値にあと20円に迫りながらUターンしてしまいました。

弱気に傾きだしている可能性

日経平均は11月30日にザラ場で2万6800円台に乗せて以降、13日が経過して内10日間ザラ場で2万6800円台に乗せる場面がありましたが、そこを抜けて2万7000円へと進むことが出来ておりません。この間5日移動平均線は横ばい推移となっており、25日移動平均線が徐々に接近してきました。相場は既に弱気に傾きだしている可能性があり、2万6305円近辺の25日移動平均線を割り込んだ場合、値幅を伴った調整局面に入ると考えねばならないようです。

週末にクアドルブルウィッチング

今週末18日は米国市場がクアドルブルウィッチングを迎えます。日本で言うところのメジャーSQであり、ストック・オプション、株式先物取引、株価指数オプション、個別株オプションの清算日となります。過去数年はメジャーSQ後ほぼ100%調整し、その後6~9日後から100%上昇というアノマリーです。

週明けはテスラS&P組み入れ

そして来週月曜日にはテスラがS&P500指数に組み入れられます。テスラの時価総額が非常に大きいため、指数連動型のファンドからテスラ組み入れの資金捻出のため、他の銘柄に約5兆円規模の売りが持ち込まれるのではないかとされています。

現金比率は4%に低下

バンク・オブ・アメリカのストラトジストが今の株高に警鐘を鳴らしました。BofAは今月4~10日にファンドマネージャーを対象とした調査を実施しました。その結果によると、現金が2013年5月以来で初めて「アンダーウエート」とされており、現金の比率は4%に低下したということです。一方、「リスクオン」資産と呼ばれる株式と商品に対しては11年2月以降で最も強気となっています。最も活況な取引のリストでは、ビットコインが浮上しました。

株式「売り」のシグナル

こうした現金の持ち分急減について、BofAは株式「売り」のシグナルだと指摘します。この売りシグナルは2018年1月末以来のことだそうですが、この直後にVIXショックが起きました。1月22日週に26616ドル高値だったNYダウは3月19日週には23533ドルまで急落しています。つまり、そろそろ買い手がいなくなるということです。流動性が低下するので下落し始めたら一気に調整するリスクが高まります。

慎重に対処する局面

米国市場の投資家は超強気に傾いていますが、クアドルブルウィッチング、テスラのS&P500採用、現金比率低下といった3つのシグナルが点灯しており、この局面は慎重に対処していかねばならないかもしれません。

日々勇太朗

相場見通し

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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