利上げ催促の円安か【転ばぬ先のテクニカル】

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東京株式市場は大幅続落

本日の東京株式市場は大幅続落となりました。

米3月小売売上高は予想上回る伸び

昨日の21時30分に米3月の小売売上高が発表されました。結果は前月比0.7%増と市場予想(0.4%増)を上回る伸びとなりました。また、前月分は0.9%増と、速報値(0.6%増)から上方修正されました。底堅い消費需要により力強い経済成長を支え続けていることが示されました。

10年債利回り跳ね上がりドル高進行

この結果を受けたマーケットは利下げの後ずれ思惑が高まり、10年債利回りは一時4.663%に跳ね上がりました。また、日米金利差拡大によりドル高が進行し、ドル円は一気に154円台に突入。ここまでは普通の反応です。

驚いたのは発表直後に株価が上昇したこと

驚いたのは発表直後に株価が上昇していたことです。NYダウは一時、前日比403ドル高(1.06%)、S&P500は45ポイント高(0.87%)、ナスダックが120ポイント高(0.74%)、そして半導体SOX指数が82.84ポイント高(1.74%)までありました。今までの株式市場は「利下げ期待」で上げてきたにも関わらず、小売売上高の発表を受けた反応は利上げ後ずれでも買われていたことに違和感を感じました。

結局は売られ平常反応

結局、その後、株式は売られ、NYダウは248ドル安(0.65%)、S&P500は61.5ポイント安(1.20%)、ナスダックは290ポイント安(0.79%)、SOX指数は65.9ポイント安(1.39%)と平常反応に戻りました。

NY市場は調整局面入り

今週の本紙に「警戒警報発令」という記事を書きましたが、一気に様相が変わってきました。NYダウは既に50日、75日線を割り込む右肩下がりを鮮明にしていましたが、昨日の下げでS&P500もナスダックも50日線割れとなりました。これは昨年11月半ば以降なかった現象です。一目均衡表をみるとNYダウは雲を割り込み、S&P500とナスダックは雲の中に入り込みました。これらの現象から、NY市場は調整局面入りしたことが伺えます。

調整色濃く3万6000円も不思議ない

さて、日経平均は本日の急落で3月22日高値(4万1087円)以降の安値を更新しました。一目均衡表でも雲の中に突入し、調整色が濃くなってきました。一番近い下値ポイントは3月12日の3万8271円安値となりますが、13週移動平均線を割り込んできたことで、3万6000円に位置する26週移動平均線まで下げても不思議ではありません。

輸入物価上昇激しくなればやっかいな流れ

円安を頼りに株価が上げてきた部分もありますが、輸入物価の上昇が激しくなれば、大企業で5%を超える賃上げが実現したものの、物価に追いつかなくなってしまいます。日本の10年債利回りもそのあたりに反応し、0.875%まで上げてきました。今後は円安が利上げを催促する展開も考えられますので、やっかいな流れになってきました。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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