「寄り天」で戻り売り圧力強い
本日の東京株式市場は3日続落しました。寄り付きは、昨日の急落に対する買戻しが入りましたが、寄り付きの3万8587円が高値という「寄り天」となってしまい、戻り売り圧力が非常に強いことが伺えます。
信用取引買い残3週連続増え18年ぶり高水準
これは信用取引の残高に関連していると考えます。昨日、東京証券取引所が公表した先週末12日時点の信用取引買い残高は3週連続で増加し、前週比219億円増の4兆5953億円と2006年7月以来18年ぶりの高水準を更新しました。
大きく崩れることはないという慢心から順張り
本来、個人投資家は押し目買いに徹するものですが、先週の日経平均は週間で531円高でした。年始からの急騰劇で強気派が増加し、大きく崩れることはないという慢心から順張り買いしたのでしょう。
評価損拡大で高い場面では戻り売り
ところが米国市場での利下げ期待が後ずれしつつあるところへ中東の緊迫化が重なり、今週に入って2日間で日経平均が1000円超下落したことで評価損が拡大。そのため、高い場面では戻り売りで逃げるという流れに変わってきたということを「寄り天」が示しています。
押し目を拾えば儲かるパターンは崩れる
日経平均は一時3万8160円安値まであり、昨日提示した一番近い下値ポイントである3月12日安値の3万8271円をあっさり割り込みました。こうなると、1~3月相場のように押し目を拾えば儲かるというパターンは崩れたことが分かります。
当面は好材料に付いても上値は限定的
今月末から決算発表が本格化していきますが、決算よりも需給の悪化がマーケットを覆うことになりましょう。当面は好材料に付いても上値は限定的となるものと思われます。
米国市場も同様でテスラが人員削減発表で急落
これは米国市場も同様で、テスラが人員削減を発表しましたが、株価は急落。以前の相場であればバッドニュース・イズ・グッドニュースと好感したものですが、それがバッドニュースはバッドニュースと反応するようになってきました。
半導体関連急落し日経平均は「陰の丸坊主」
本日の前場の安値は一目均衡表の遅行スパンが基準線(3万8163円)にタッチしたことで一旦止まりましたが、後場に入ってオランダの半導体露光装置大手ASMLが第1四半期の決算を発表し、2024年通期売上高は、2023年とほぼ同じとなる見込みとしたことで半導体関連銘柄が急落。日経平均は3万8000円台を割り込み、日足は寄り天安値引けという「陰の丸坊主」となりました。
75日線で止まらないケースでは…
今朝の安値を割り込んでしまいましたので、次のターゲットは75日線の走る3万7785円となりますが、ここでも止まらないケースでは日足の一目均衡表の雲下限(3万6582円)や、26週線の走る3万5987円、週足の一目均衡表の基準線(3万5745円)まで下げる可能性が高まります。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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