75日線の手前でヤレヤレの戻り売り
昨日の東京株式市場は5日振りに反落しました。寄り付きは買い先行でスタートし、一時2万8279円高値までありました。しかし、2万8500円近辺に75日線が走っており、その手前でヤレヤレの戻り売りに押された格好です。
2万8000円台固めれば十分
何度も申し上げますが、現在は半年前の2月高値時(2万9500円~3万700円)の信用取引における半年期日迎えであるために、高値では売り物がでてきます。2月の中旬は日々の売買代金が連日3兆円を超えていました。そのためこのところの2兆5000億円程度では需給面で一気に上値を追いかけるのは難しい環境です。ここでは2万8000円台を固めてくれれば十分ではないでしょうか。
スキュー指数天井打つと下落
ところでNY株式が8月17日前後に天井を打つのではないか、といった話しが聞かれます。これはスキュー指数(ブラックスワン指数とも言う)が天井を打ってから36日前後すると株価が天井を打って下落するというパターンがこの数年続いていることから言われています。
市場の歪みを指数化
スキュー指数とは、シカゴのオプション取引場が算出している指数です。S&P500指数のOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のオプション価格から、市場の歪みを指数化されたもので、簡単に言うと値上がりすると儲かるコールオプションのボラティリティから値下がりすれば儲かるプットオプションのボラティリティを差し引いて算出されます。
6月25日に過去最高を記録
このスキュー指数は100がフラットな状態で、100より高ければコールオプション(買う権利)よりプットオプション(売る権利)が買われている状態で、大きな価格の下落に備えたプットオプションの需要が増加していることを示します。通常は100~150の範囲で推移する傾向がありますが、今年6月25日に170.55という過去最高を記録しました。
17年は軽微だが18年は大幅下落
そしてこのスキュー指数がピークアウトして凡そ35~36日後にNY株が天井を打ち、その後下落するパターンがあります。
2017年3月17日にスキュー指数は154.35でピークアウトしました。その35日後の5月9日にNYダウが2万1046ドルで天井を打ち、5月18日に2万0553ドルまで急落しました。この年は500ドル程度の下落と軽微な動きでとどまりました。
2018年8月16日に148.62で天井を打った時は、その33日後の10月3日にNYダウは2万6951ドルで天井打ちとなり、その後12月26日の2万1712ドルまで5239ドル安となりました。
昨年の暴落は一昨年12月に警報
2019年は12月19日に150.14でピークアウト。その36日後の翌2020年2月12日にNYダウは2万9508ドルで天井打ち。新型コロナ暴落となり、3月23日の18213ドルまで11295ドルの暴落となりました。昨年の暴落は一昨年12月にスキュー指数が警報を鳴らしていたことになります。
20年も急落だが今年は高いまま
更に2020年7月15日にスキュー指数は146.53でピークアウト。その36日後の9月3日にNYダウは2万9199ドルで天井打ちとなり、9月24日には2万6537ドルまで急落しました。今年は冒頭にも書きましたように6月25日に170.55でスキュー指数はピークアウトし、昨日段階で154.32と未だに高いままです。6月25日から36日目が来週8月17日なのでどういった反応を示すのか気になるところです。
スキュー急落があっても買い場
もっとも日経平均は過去40年に渡って衆院選=株高が続いています。解散から総選挙まで株高という結果があるために、もしスキュー指数急落があってもそこは買い場だと言えそうです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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