戦後の卯年相場を検証
海外がクリスマス休暇で売買代金が少なく、相場も躍動感がないために、本日はテクニカル分析をほったらかして、戦後の卯年相場を検証してみたいと思います。
1951年は最大67.1%上昇
戦後最初の卯年は1951年です。この年のビッグニュースといえば、サンフランシスコ条約調印と言えるでしょう。9月4日にサンフランシスコで開かれた会議で、日本は独立国として国際社会に復帰しました。大発会は102.10円でスタートし、サンフランシスコ条約調印により10月には170.32円まで上昇。年末大納会は166.06円で取引を終了。前年の大納会が101.91円でしたので、最大67.1%上昇し、年末比では62.9%高でした。
1963年は前半高・後半安
1963年は1960年に所得倍増計画を打ち出し、推進してきた池田勇人首相が、年末に第3次内閣を発足させた年です。アメリカで、ケネディ大統領暗殺事件が起こった年でした。大発会は1418.25円で4月には1634.37円まで上昇するも、その後失速して大納会は1225.10円と下落。この年は4月高値、12月安値と前半高・後半安という年でした。前年の大納会が1420.43円でしたので、4月高値まで15.2%高までありましたが、12月安値が1200.64円でしたので、15.4%安まであり、大納会比では13.7%安でした。年間高値と年間安値の比では26.5%下落したことになります。
1975年も前半高・後半安ながら持ち直す
1975年は4月にベトナム戦争が終結した年です。日本では、1972年に返還された沖縄で「沖縄海洋博」が開催され、350万人近くの入場者数を記録しました。大発会3777.40円でスタートした日経平均は5月に4564.52円まで上昇。しかし、この年も前半高・後半安となり、9月には一時4007.14円まで下落。秋口から若干持ち直して大納会は4358.60円で取引を終えました。前年の大納会が3817.22円でしたので、5月高値まで19.5%上昇。年間高値から年間安値まで12.2%下落も、前年比では14.1%の上昇となりました。
1987年はJR誕生とブラックマンデー
1987年はバブル期で、JRが民営化によって誕生した年です。この年の大発会は1万8820.55円でスタートし、10月には2万6646.43円まで上昇。しかし、ブラックマンデーの大暴落が起こり11月には一時2万1036.76円まで暴落。大納会は2万1564.00円で取引を終えました。前年の大納会が1万8701.30円でしたので、10月高値まで42.4%もの急騰となりました。一方で10月高値からひと月で21.0%の暴落。それでも前年比では15.3%の上昇となりました。
1999年は順調で36.7%上昇
1999年は人類が7月に滅亡すると言われたノストラダムスの予言が外れた年です。この年に起こった、東海村の臨界事故などは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。大発会の日経平均は1万3415.89円でスタート。年間安値が1月であり、その後ジリジリと上昇していき、年間高値が12月の1万8934.34円の高値引けという順調な上昇年でした。前年の大納会が13842.17円でしたので、年間高値まで36.7%の上昇でした。
2011年は17.3%下落する厳しい年
2011年は東日本大震災が起こった年です。また、円高が進行し10月に史上最高値の75.55円を記録しました。2009年に民主党政権が誕生し、株安・円高が顕著に進みました。大発会の日経平均は10398.10円で2月に10857.53円まで上昇するも、その後はじり安の展開で11月には一時8160.01円まで下落。大納会終値も8455.35円と年間を通じて冴えない株式市場でした。前年の大納会終値は10228.92円でしたので、年間高値まで1.6%しか上昇せず、年間安値まで20.2%安。大納会比で17.3%下落という厳しい年でした。
大きな上昇が期待できる反面後半急落多い
過去6回の卯年は5勝1敗と勝ち越しです。年間高値までの最大平均上昇率は30.4%と大きな上昇が期待できる反面、年の半ばから後半にかけて急落するケースが多いことが特筆されます。
3万1930円がターゲット
前年比での平均上昇率が20.5%ですので、今年の日経平均が足元の2万6500円近辺ならば来年は3万1930円がターゲット。一方で前年比での年間安値までの下落率は7.6%ですので、来年の日経平均の下値は2万4500円近辺ということになりそうです。
明日は四緑木星の年の株価を辿ってみたいと思います。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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